バレーボール女子・V1リーグの久光スプリングスを運営するSAGA久光スプリングス(鳥栖市)が、鳥栖スタジアム(駅前不動産スタジアム)の駐車場の一部に練習拠点の建設を計画している。地域に明るい話題をもたらした一方で、サッカーJ1・サガン鳥栖の試合時の駐車場が減り、影響を懸念する声も一部で上がっている。鳥栖市の橋本康志市長は、新たに一定数の駐車場を確保する考えだが、バレーボールもサッカーも楽しめる環境づくりに向け、市は“交通整理”を図ってほしい。

 練習拠点建設のため、SAGA久光スプリングスは鳥栖スタジアムの第4駐車場(1万500平方メートル)の貸与を市に要望した。鳥栖市と神戸市にある練習拠点を一本化するため、メインアリーナとサブアリーナがある体育館、クラブハウスを備えた2階建ての施設を計画し、2023年春の完成を目指す。市は1月5日、同社に土地貸与を了承する意思を伝えた。

 20年末に伝えた計画の第1報は高い注目を集めた。ただ、ネット上には、駐車台数が減ることや、これまでも問題になっていた周辺商業施設などへの「迷惑駐車」が悪化することを心配するサガン鳥栖サポーターからのコメントもあった。

 市によると、サガン鳥栖の試合時は第3(150台)、第4(300台)、第5(200台)駐車場と第2駐車場の一部を無料で開放している。第4駐車場は最も収容台数が多く、市は「周辺の市有地と民有地も活用して減少分の一定数を確保したい」との方針を示している。ただ、300台分を全て確保できるかは「今後の調整」と話し、迷惑駐車が増える結果を招かないか懸念されるところだ。

 鳥栖スタジアムはJR鳥栖駅から近く、交通の便がいい。特長を生かし、市はこれまでも公共交通機関の利用を呼び掛けてきた。隣の新鳥栖駅には590台収容のパーク&ライド駐車場があり、市のホームページから空き状況が確認できる。利便性を改めて周知し、これまで以上に利用を促すのも一つの手段だろう。人気の試合は新鳥栖駅の駐車場が満杯になるため、駐車場を備えた市外の駅との連携も模索したいところだ。

 有料駐車場をつくる案も考えられるが、他のスタジアムにあるような高額な予約制駐車場をつくると、周辺施設への迷惑駐車が増える恐れがある。市も、試合が開催される年間二十数日以外は利用が見通せないとして、導入には慎重だ。橋本市長は一定数の駐車台数確保と公共交通機関の“合わせ技”を念頭に、サガン鳥栖を運営するサガンドリームスと協議していく考えだが、駐車料金をチームの強化費に充てたり、場所や料金設定を工夫したりして、鳥栖の実情に合わせた妙案がないものか。

 練習拠点は一般市民も使える体育館を備える予定で、一流選手による練習試合などの公開も計画している。市はジュニアの育成にも期待し、全国トップレベルの実力を持つサガン鳥栖アカデミーとともに「若い人が夢を持てるまち」を思い描いている。地域住民もプロバレーボールとプロサッカーが生む相乗効果を楽しみにしているだろう。新練習拠点が地域に多くのメリットを生み出していけるように、不満を残さない駐車場対策を望みたい。(樋渡光憲)

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