利用者からハラスメントを受けた介護職員の割合

 厚生労働省は、4月から全ての介護事業者に利用者から職員に対するハラスメントの対策強化を求める。介護現場は慢性的な人手不足に陥っており、働きやすい職場にすることで、離職防止につなげる狙いだ。

 介護事業者が順守する必要がある「運営基準」にハラスメント対策を規定したり、自治体を通じて周知したりする。介護現場で問題となっている、利用者が職員に威圧的な言動や理不尽な要求をする「カスタマーハラスメント」(カスハラ)などに対応したい考えだ。

 約1万人の介護職員から回答を得た2019年実施の厚労省の委託調査によると、症状の重い高齢者が入所する特別養護老人ホーム(特養)では70%がカスハラを受けたことがある。認知症の人に対応する通所介護(デイサービス)で64%、高齢者の自宅で世話する訪問介護も50%に及んだ。

 「つばを吐かれた」「コップを投げ付けられた」といった身体的暴力のほか、「人格を否定する発言」「性的発言を繰り返し言われた」などの嫌がらせも目立った。

 ハラスメントで仕事を辞めたいと思ったことがある人は、どのサービス類型でも2~4割程度に上り、訪問介護では実際に1割の人が辞めた経験があった。昨年の厚労省の審議会では委員から「特に訪問系のサービスは密室の中で1人でのケアをする場合もあり、深刻な被害も見受けられる」と懸念する声が上がっていた。

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