作品を手にとって、仕上がりを確かめる井上萬二さん=7日午前、西松浦郡有田町の井上萬二窯(撮影・鶴澤弘樹)

作品を手にとって、仕上がりを確かめる井上萬二さん=7日午前、西松浦郡有田町の井上萬二窯

 白磁の重要無形文化財保持者(人間国宝)井上萬二さん(91)の仕事始めに当たる「初窯出し」が7日、西松浦郡有田町の窯で開かれた。作品を手に取って仕上がりを確かめ「完璧な出来。昨年はコロナの影響を受けたが、収束したら海外でも個展を開き、その分を挽回したい」と、挑戦を続ける意欲を見せた。

 昨年12月23、24日に焼成した、孫の祐希さん(32)の作品を含む約200点を窯から取り出した。きね形の新作「白磁緑釉牡丹彫文耳付花器(はくじりょくゆうぼたんほりもんみみつきかき)」や、鳴門の渦に着想を得た「白磁渦文壷(うずもんつぼ)」の出来栄えを「鉄粉もピンホールもなく完璧」と安どの表情を見せた。

 昨年を振り返り「私の一番悪い年。コロナで中止した個展もあったし、子どもの思いがけない死が痛手だった」と、長男の康徳さん(享年62)を失った悲しみを吐露。それでも「それを乗り越えてやっていかないといけない。健康を保って仕事に努力していきたい」と前を向いた。

 今年は45年連続となる6月の銀座和光や、コロナ収束後に米ニューヨークなど10会場ほどで個展を開く予定という。(古賀真理子)

井上萬二窯で初窯出し 人間国宝の井上萬二さん「完璧な出来」(2021年1月7日)
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