佐賀市松原の映画館「シアター・シエマ」では、観客が1席ずつ空けて着席する。2020年10月16日から上映された鹿島市出身の映画監督・井手洋子さんのドキュメンタリー映画「ゆうやけ子どもクラブ!」には、3週間で約700人が足を運んだ。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、全国のミニシアターが苦境にあえぐ中で、昨年同館で公開した映画では断トツの動員数になった。

 「チラシを配って応援してくれた地元の友人たちなど、たくさんの人の後押しがあって佐賀での上映が成功できたと思う。移動や集合が難しいコロナ禍の時代でも、改めて人と人とのつながりを実感することができた」

 井手監督は実体験主義で、現場で人と顔を合わせながら作品をつくってきた。「ゆうやけ―」では、放課後等デイサービスの日常を切り取る。カメラは、子どもたちが人との関わりを通してゆっくりと成長していく姿を丁寧に追う。

 福祉や教育に携わる人たちを中心に「この作品を通じて、もっと多くの人たちに現場の実情を知ってほしい」という声が上がり、支持や共感が広がっていった。

 「映画の舞台になった東京都小平市の放課後等デイサービス『ゆうやけ子どもクラブ』代表の村岡真治さんは、『福祉は人間らしい人の輪』と言っていた。職員や保護者たちに見守られながら、意思表示ができるようになったり、人の輪に入れるようになったりしていく等身大の子どもたちの姿に、希望を見た」

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