マスクを着け、人と人との距離を取り、リモートワークやオンライン授業―。新型コロナウイルスの影響で日常が様変わりする中、ノンフィクション作家の柳田邦男さん(84)=東京都=は不安にさいなまれるときほど、冷静に考えようと努めることが大切になると考えている。

 「コレラやペストなど、これまでの歴史で幾度となく人類を恐怖に陥れた感染症を不安に思うのは当然だろう。ただ、漠然とではなく、実体を正しく理解しなければならない。どう感染し、重篤化するのか、そうならないために何をすべきなのか、論理的に考えてほしい」

 移動の制限や飲食店の営業自粛を求める動きなどが相次いだ。「3密」を避けることが求められ、感染予防の「新しい生活様式」が浸透していった。社会は萎縮しても、否定的にならずにいてほしいと願う。

 「仕事で忙しい毎日を送ってきた人は、これまで立ち止まって考える時間もなかっただろう。外出や遊びを含めてさまざまなことが規制され、自粛を求められる今だからこそ、自らの生き方を見つめ直すいいチャンスだと捉えてほしい」

 家族で読書体験を共有する「家読(うちどく)」の応援団長として伊万里市などで活動し、「大人こそ絵本を」と提唱してきた。「巣ごもり」の局面でも親しんでほしいと促す。

 「素晴らしい絵本は深い意味が込められている。大人が読むと、人生にとって大切なことが語られていると分かる。危機的な時代だからこそ、絵本に親しんでほしい。さまざまな気づきがあり、生き方のヒントに巡り会えると思う」

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