外出自粛でやることも少ない「静かな」正月。ぼんやりテレビを眺めていたら、毎年見ていたあのグループがいないことに改めて気づき、少しの寂しさを感じる◆人気アイドルの5人グループ「嵐」である。昨年末で活動を「休止」した。デビューから21年。グループ名がつく二つの番組はともに10年を超え、家族でよく見ていた。年末はさよなら企画で出番が多かっただけに、新年は「嵐ロス」の人が多いだろう◆一人一人も個性的だが、5人がそろうことでさらに魅力が増す。「トップを極める」という目標だけでは、21年も走り続けられない。それぞれを思い、尊敬し合う友情があったはずだ◆作家の伊集院静(いじゅういん・しずか)さんが週刊誌に書いていた。「友を大切に思う気持ちは、人間がなす他者への思いのなかで、私は最高峰の一つにあると思っている」。嵐も苦しい時は互いを思いやり、励まし合って歩んだことだろう。だから、「自分のやりたいことをやりたい」という一人の思いに寄り添い、解散ではなく「休止」を選んだのだと思う◆多くの人に大切な「友」がいるだろう。与え与えられ、励まし励まされ、時には自分が生まれ変わることができたという経験もあるのではないか。嵐の絆も切れることはないだろう。いつかまた5人がそろう日を期待して、今は取りあえず「お疲れさまでした」。(義)

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