今年最大の政治決戦となる次期衆院選の立候補予想者数は、12月31日までの共同通信社調べで828人に上ることが分かった。うち女性は134人。定数465の議席を争う。衆院議員の任期満了は10月21日。与野党は候補者擁立や調整を加速し、臨戦態勢に入る。安倍晋三前首相の突然の辞任を受けて昨年9月に後継となった菅義偉首相が国民の審判を仰ぐ。政府の新型コロナウイルス対策や経済政策、自民党で相次ぐ政治とカネ問題などが争点となりそうだ。

 

■佐賀県内情勢■

 

 衆院議員の任期満了まで残り10カ月。いつあってもおかしくない解散に備え、佐賀県内の各政党は態勢づくりを急ぐ。次期衆院選の県内2選挙区の構図は明確で、どちらも与野党の現職による事実上の一騎打ち。立候補予定の4人は手の内を知り尽くした相手の動きを視界に捉えつつ、地元回りに余念がない。

 昨年10月、佐賀市で開かれた自民党県連の政治資金パーティー。二階俊博幹事長は「常在戦場の気持ちでいよいよ決戦に臨まなければならない」と約800人の党員や支援者らに支援を呼び掛けた。

 佐賀は激戦区-。自民党本部はこう見立てる。2017年の前回衆院選で全国的に大勝を収める中、唯一選挙区で全敗した。

 1区の岩田和親氏(47)=3期目=は昨年9月まで約1年間、防衛政務官を務め、2区の古川康氏(62)=2期目=は昨年9月から総務政務官に就任した。公務のため地元活動に制限がかかるが、ミニ集会に加え、ネットでの発信にも力を入れて支持層の拡大を図っている。

 「2人は背水の陣」。県連がこう懸念するのは、小選挙区で連続2回敗れ、比例復活した現職に対し、次回の比例重複立候補を認めない内規を厳格に適用する動きが党本部にあるためだ。岩田氏が該当し、前回敗れた古川氏も後がない。党の判断が選挙戦に影響を及ぼす可能性もある。

 また、これも党内規で定める比例の「73歳定年制」と、比例単独立候補の「原則2回まで」に該当する今村雅弘氏(73)=8期目=の処遇も不透明だ。県連は今村氏が区割り変更に伴い旧2区から比例代表に転出した経緯や国策課題を多く抱える事情を踏まえ、「例外」とするよう党本部への働き掛けを強める。

 分裂、合流を繰り返した旧民主。前回、無所属で出馬した1区の原口一博氏(61)=8期目=と、希望の党だった2区の大串博志氏(55)=5期目=は昨年9月の立憲民主党結党に伴い、約3年ぶりに同じ政党に所属した。2人は「政権交代の受け皿となる大きな固まりをつくれた」と意義を強調する。

 立民県連の関係者も「2人の連携が一層強化されるプラス面は大きい」とみるが、「党が新しくなる難しさも抱えている」。連合傘下の電機連合や電力総連などの産業別労働組合の出身議員が不参加を決めた。3月ごろにかけて社民党県連との合流も本格化する。「一から信頼関係を築く心づもりで県連の体制を整えていくしかない」

 自民と連立与党を組む公明党は比例を重視し、小選挙区では自民に投じる従来の連携強化を図る。県本部の中本正一代表は県内で5万4千票、比例九州で100万票、4議席の獲得を目標に掲げる。

 共産党県委員会は原口、大串両氏を支援する考え。今田真人委員長は「政党間の協議次第だが、2人は県民の宝であり、現段階であえて候補者を立てることは検討していない」とする。(栗林賢)

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