佐賀で牛といえば、佐賀牛。県民だれもが知る県を代表するブランド牛だが、デビューして40年足らず、ここまで来るには長い道のりがあった。おいしいということは知っていても、それ以外は基本的なこともあまり知られていない。「今年こそ、モォーっと、私のことに興味を持ってね」。そういう佐賀牛のさっしーに話を聞いた。(構成・宮里光)

 

厳しい基準

高品質「さし」十二分に

佐賀牛のブロック。美しいサシが入っている

 佐賀牛は、JAグループ佐賀の農家が県内で育てた黒毛和牛のうち、厳しい基準をクリアした“超高級牛肉”。正確には「肉質等級(1~5)4等級以上、かつBMS値(=脂肪交雑、1~12)が7以上」というわけ。ちょっと専門的だけど、要は高品質で「さし」が十二分に入っているということよ。

 全国的に見ても、ここまで厳しい基準を設けているブランド牛は、ほとんどないわよ。「佐賀牛が軟らかくて、とろけるよう」って好評だけど、それは、ある意味、当たり前なのよ。

 

圧倒的な量

全県一丸出荷1万頭超え

牛舎の中ですくすくと育っている和牛たち

 どのくらいの佐賀牛が県内にいると思う? 2019年1年間の佐賀牛の出荷頭数は約1万1000頭よ。

 全国的にみたら、松阪牛(三重県)や神戸牛(兵庫県)などが有名でしょと言われるかもしれないけど、地域でブランドが分かれていたりして、このあたりの出荷頭数は数千頭と佐賀牛の半分もないわ。圧倒的に高品質な牛肉を常に豊富に大量に提供できるというのが、佐賀牛の最大の強み。デビューの1984年以来、全県一丸となって佐賀牛を育ててきたから、今があるのよ。

 今はコロナでちょっと苦戦しているけど、国内だけでなく海外の方からも評価をいただいて、2007年から輸出も始め、当初10トン程度だったものが、2018年度は68トンと7倍近くに伸びているわ。内訳は、香港が39トン、台湾7トン、シンガポール6トン、タイ5トンなどよ。

 

肥育技術

細かな管理で肉質向上

 知っていてもらいたいのは、丹精込めて私たちを育てる農家のことよ。県内には佐賀牛を育てている農家が170戸あるのよ。JA伊万里管内が52戸と一番多くて、次がJAからつの41戸と県の西部が多いわね。JAさが管内もみどり地区(杵島藤津)の30戸、佐城地区の18戸などが目立つわね。

佐賀牛は認定された販売店のみで扱う。写真はその銘板。県内約140店舗、県外約860店舗、海外に約100店舗ある

 驚くのは、育てた牛の中から厳しい基準をクリアしてどのくらいが佐賀牛になるかという出現率よ。かつては2割もなかったけど、2013年度は39%と4割、2019年度には67%と7割近くまで大幅に増えているわ。

 一つは、和牛の素質が品種改良などで向上したためだけど、もう一つは、やはり飼育の方法ね。もともと筋肉にサシをぎりぎりまで入れるから、飼うこと自体が大変なんだけど、最近は肥育過程に応じて餌を変えるなど細かな管理で、肉質がぐんと良くなっているのよ。

 佐賀の農家さんは昔から高い技術を持っていたけど、今でも研究熱心で、佐賀牛に寄せるこの熱い思いが今の隆盛を支えているわ。

このエントリーをはてなブックマークに追加