あけましておめでとうございます。詩人谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)さんの『えほんなぞなぞうた』から一問。「ブレーキかけてもとまらない。バックもできないまがれない。なのにむじこでやすまずはたらく」ものなあに?◆答えは「じかん」。私たち人類は「時間」という概念を手に入れてから悩みが増えたのだろう。過去、今、未来。今と未来をつないであれこれ考えるから不安を感じ、時に憂うつになる◆コロナで揺れた2020年はやりたかったことをやれず、「失った時間を返して」という人も多いだろう。不安を感じる一方で、私たちは未来に夢や希望を描くことができる。元日は一つの区切りと位置づけられる日。だからこそ心機一転の一年にと夢が広がる◆「博多の歴女」といわれた白駒妃登美(しらこま・ひとみ)さんの『人生に悩んだら日本史に聞こう』に、こんな文章がある。「夢は自分が実現したいもの。志は、自分が実現できなかったとしても、ほかの誰かが代わりに実現してくれたらいいもの。つまり、志とは、個人の夢を超えた想(おも)い」。2021年は、この「志」という言葉を改めて大切にしたい◆谷川さんの本からもう一問。「みえない、かえない、さわれないのに、もってるひとがうらやましい」ものなあに? 答えは「しあわせ」。21年の始まりにコロナの克服と人類の「幸せ」を志に立ててみる。(義)

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