新型コロナで生活が変化する中、嬉野市に移住を決めた落合渉悟さん=同市

工具を使い、自ら古民家をリフォームする落合さん

「何が起きるか分からない時代。自給自足の暮らしを試行していった方が、不況や仕事がないときも暮らし方に選択肢ができる」

 暗号資産(仮想通貨)などに活用されるデジタル技術「ブロックチェーン」の技術開発を行う会社の共同創業者執行役員を務める落合渉悟さん(30)。新型コロナウイルスが広がる中で、自立した生活基盤を持つことの必要性を感じ、嬉野市への移住を決めた。2021年上半期に移り住む予定だ。

 鹿児島県薩摩川内市出身で、妻と2歳の子どもがいる。仕事の性質上、新型コロナの感染が広がる前からリモートワークを行っており、東京や福岡、海外などで暮らしていたこともある。

 コロナ禍、これまで暮らしていた地方都市の駅前では感染を警戒して出歩く機会が減った。「スーパーに行っても最短時間で買い物をしていた。娯楽は屋内が前提だったので窮屈だった」

 昨年4月、家を買うことを決意した。妻の実家がある佐世保市に近い場所で、面積が広く、安価な古民家を探していた。自らプログラムを組み、長崎と佐賀の両県内で「価格は300万円以下、80平方メートル以上」の条件で検索した。結果、嬉野市にある農地と井戸が付いた築50年以上の古民家を見つけた。

 嬉野市については、温泉地である点にも魅力を感じているという。「いろんな温泉を試したいし、今はサウナもはやっている。温浴効果や湯治という言葉もあるように、心の健康にもいいと思う。長く住むにはいい環境」と話した。

 ものづくりが好きで「広い土地があれば、自分たちで家の周りに子どもが楽しむものを作れる」。DIYも楽しみにしており、既に古民家では風呂の改修を自らの手で行っている。

 コロナで生活様式が変わり、働くことの意味合いも変わっていく。落合さんは「野菜を育てたり、家を磨いてよくしたりするなど、工夫して生活することに心が向いてきた。『人生ってこういう楽しみ方もあったんだ』と考えが変わっていった」と自らの変化も感じている。(松田美紀)

このエントリーをはてなブックマークに追加