大型店の売り場。コロナ禍で来店客からの叱責や苦情が増えているという

 佐賀県内の商業施設で12月に入り、例年以上に来店客とトラブルや苦情が目立っている。正月に向けた買い物やおせちの予約などで混み合う売り場。新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底しているが、「3密」を避けようと先を急いだり、マスクを着けていない客へのクレームがあったりして、売り場は対応に追われている。

 「いつまで待たせるのか」。佐賀市内の商業施設で12月中旬、お歳暮コーナーに客の怒鳴り声が響いた。店員が先に来た客の対応をしていると、横から割り込んできた。「申し訳ありません、順番に対応しております」。店員は何度も頭を下げて説明したが、その客の怒りは収まらなかった。

 年末のこの時期は混み合うため、苦情が寄せられることはある。ただ「これほど強い口調は初めて」と売り場担当者は困惑する。感染防止対策で、利用者が席を立った後はすぐに消毒液で拭き上げるが「そんなことしなくていいから、早く対応しろ」とクレームを付ける客もいるという。

 佐賀市内の別の大型店では「マスクをしていない客がいる」「エスカレーターで客同士の距離が近い」といった苦情や改善を求める声が、毎日のように届く。1日100件を超えることもあるという。従業員が対応に困り果て、上司に相談するケースも増えている。

 一方で、店員を励ます声も。定期的にレジ付近や買い物かごなどの消毒清掃を行っていると「ご苦労さま、作業が増えたね、大変ね」とねぎらいの言葉を掛ける来店者も少なくない。お客さまアンケートにも感謝の言葉が届けられ、従業員の支えになればと全員が見られる場所に掲示する。

 全国的に新型コロナの「第3波」が広がる中、大みそかや正月の「巣ごもり需要」に向けた準備が本格化する。(志波知佳)

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