「妻編みし マフラー巻きて ペダルこぐ」-。皆さま初めまして。私は、生前国語教師だった父(源治)の影響で俳句に親しみ、私のコラムでは俳句を話の枕に、医療のお話を進めて参ります。

 冒頭の句は、私が佐賀大学医学部附属病院に勤務時代、佐賀に初雪が降った日、朝4時から脳卒中診療に向かうためマンションの玄関を出ようとした際、妻がマフラーを渡してくれて、まだ足跡もない真っ白な雪道で自転車をこぎながら浮かんだ句です。

 脳卒中は脳の血管が詰まったり破れたりして起こる脳の病気です。中でも脳梗塞は、脳の血管に血の塊が詰まることで脳がダメージを受けます。tPA(ティピーエー)は血の塊を溶かすことで、脳の働きを回復させる薬です。現在ではこれに加え、カテーテルにより血の塊を回収する血栓回収術も行うことでさらに回復が期待されます。

 脳卒中の治療は早ければ早いほど効果が期待されますので、脳卒中を疑う次の3つの症状をぜひ覚えてください。

 (1)顔のゆがみ(歯を見せるように口をイーと笑ってもらい、片方が動かない
 (2)片方の手が動かない(前ならえをしてもらい、片方が下がる)
 (3)言語障害(ろれつが回らない、うまく話せないなど)

 これら三つの症状のうちどれか一つでも突然起これば、脳卒中の可能性が70%以上といわれています。(さまざまな脳卒中の神経症状について、詳しくは日本脳卒中協会のホームページをご覧ください。)

 脳卒中が疑われる時は、すぐに救急車を呼びましょう。素早い対応が命を守り、後遺症を減らします。ぜひ脳卒中の症状を覚えていただき、よいお年をお迎えください。(JCHO佐賀中部病院脳神経内科・リハビリテーション科部長 南里悠介)

このエントリーをはてなブックマークに追加