GoToトラベルの全国一律停止が発表され、地域共通クーポンが使える土産物店も影響を懸念している=鹿島市古枝の祐徳門前商店街

GoToトラベルの全国一時停止を受け、キャンセルの手続きに追われる従業員=嬉野市の「大正屋」

 政府が観光支援事業「Go To トラベル」の全国一時停止を発表して一夜明けた15日、佐賀県内の宿泊業者は予約キャンセルの対応に追われた。国はキャンセル分の補償を従来の35%から50%に引き上げることを明言したものの、年末年始の書き入れ時を失った業界からは「全然足りない」との声が上がり、具体的な補償が望めない土産物店からは嘆きが漏れた。

 「数えたくもないほど。夕方までに110件ものキャンセルがあった」-。嬉野市の旅館「大正屋」の山口剛副社長(48)は嘆息する。年末年始は客室の7、8割が埋まっていたが、キャンセルや日程変更を求めるファクスや電話が殺到した。国の支援には「ないよりはあったほうがいいが、50%じゃ足りない。全国みんな一緒で痛み分けだが…」。政府が無償キャンセルの期限とした24日までの日々を思い、表情を曇らせた。

 観光業の裾野は広く、GoTo停止の影響はさまざまな業種に及ぶ。鹿島市の祐徳稲荷神社門前商店街で土産品を販売する「桜屋」の諸岡佑亮さん(42)は「せめて新年のお参りはと思っていたが、また観光客が減るだろう」と肩を落とした。10、11月は地域共通クーポンの利用があったが、感染拡大の「第3波」で人通りは少なくなった。「どのくらいの減少で済むのか、見通しが立たない」

 宿泊業とは違い、今のところ土産物店などに対する国の救済措置は聞こえてこない。佐賀空港や佐賀駅などで土産物店を展開する「佐賀工房」(佐賀市)の吉原成子社長(45)は「お土産も旅とセットなのに、(国は)やっぱり何も言わんとね。切なかです」。現場に寄り添った対策を願った。(中島佑子、中島幸毅、松田美紀、大橋諒)

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