「マムフィーのふしぎな冒険」(偕成社)の口絵

「少年少女日本の民話・伝説」(偕成社)の表紙絵

「マムフィーのふしぎな冒険」(偕成社)の挿絵

「ダニーのすてきなおじさん」(偕成社)の挿絵

「ラスティと宇宙怪ぶつ」(偕成社)の表紙絵

「おばけばなし」(偕成社)の口絵

「マムフィーのふしぎな冒険」(偕成社)の表紙絵

 伊万里市出身の画家池田龍雄さんが11月30日、92歳で亡くなった。前衛美術の旗手として時代と切り結んできた一方で、長年にわたり絵本や児童書の絵を手掛ける別の顔もあった。生前、伊万里市に寄贈された挿絵原画の一部を紹介する。

 戦争や社会の矛盾などを難解な抽象美術で表現してきた池田さん。絵画だけで食べられるようになるのは50歳を過ぎてからで、それまでの生活を支えたのが子ども向け本の挿絵や装丁の仕事だった。

 初めて手掛けたのは30歳の頃。詩人木島始さん(故人)の創作童話「ろくとはちのぼうけん」(福音館書店)で、友人だった木島さんが池田さんの窮乏を見かねて声を掛けた。画料は3万円。月1万円で生活していた池田さんは「喜び勇んで描いた」。以来、多くの作品を残し、1965年に出版された「ないたあかおに」(偕成社)は今も書店に並ぶロングセラーになった。

 池田さんは2001年から故郷の伊万里市に挿絵原画の寄贈を始め、その数は約250点に上る。02年1月には伊万里市民図書館で展覧会が開かれ、池田さんの講演もあった。「挿絵を描くのは生活のためだったが、表現が制約される中でも萎縮せず、絵として面白いものを描こうとしてきた。挿絵も絵画も本質的には同じだと思って見てほしい」と語っていた。

 市民図書館では、それ以来となる原画展を17日から開く準備を進めている。(青木宏文)

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