若い未婚の女性だけでなく、出産を経験した高齢の女性にとっても産婦人科の敷居はとても高いようです。その訳は他人に見せたくないところを見せる「内診」という羞恥心全開の診察があるために違いありません。内診室のカーテンの向こうにいる女医や看護師は若くてきれいな人より、意地悪くなさそうなオバサンの方が心理的な抵抗は少ないと思います。男性医師なら清潔感はもちろん必要ですが、イケメンより親戚のおじさんっぽい方が望ましいでしょう。

 内診時の緊張感を少しでも和らげるために、綺麗なバスタオルや膝掛けを用意しています。この布1枚があるだけでかなり気分的に違うと思います。

 日本人の女性は一般的には内診台の仕切りカーテンを必要とするけれど、海外の女性や不安が強い女性、認知症のおばあちゃん、知的障害で言葉のコミュニケーションが難しい場合には、カーテンを開けて診察してほしいと言われます。羞恥心よりも「何をされるか不安」という恐怖心のほうが強いからです。

 子宮頸癌の検診をする時には、腟鏡というアヒルのくちばしみたいな器具を腟の中に入れて、子宮腟部を確認し、子宮の入り口をブラシでこすって細胞をとります。緊張して力が入ってしまうと小さな腟鏡でも挿入しにくいし、痛く感じます。

 性器をみせるのですから、男性、女性を意識せずにはいられません。いくら男女雇用機会均等が進んでも、男性の助産師は現れないと思います。

 この内診無しで婦人科の診察ができないものかしら…と思いますが、今のところは無理ですので、羞恥心を乗り越えて、性器を見せるのではなく身体のメンテナンスと考えて産婦人科の敷居をまたいでいただければと思います。(伊万里市 内山産婦人科副院長、県産婦人科医会理事 内山倫子)

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