とれたてのわかめとひじきが作家仲間から届いた。大阪の兄夫婦にも送ってやりたいのだが、さてどうしたものか。庄野潤三さんに「お裾分け」という随筆がある◆小包をつくりながら、「このくらいでいいか」とか「いや、これでは少ない」と悩む。自分でたくさん食べたい気持ちも本心なら、兄夫婦に分けてやりたい思いにも偽りはない。〈なんだか自分の気前のよさを試されているような気分になる〉◆クリスマスが近づき、あれこれプレゼントを思案するころ。書店をのぞくと、お気に入りの絵本を恵まれない子どもたちに贈る「ブックサンタ」という活動があるのを知った。東京のNPO法人「チャリティーサンタ」の呼びかけで、佐賀を含む36都道府県の307書店に広がっている◆病気や災害、生活苦など厳しい環境で暮らす子どもたちに「愛された記憶を残したい」と3年前から始まった。幼いころ慰められた思い出の一冊を贈る大人も多いという。コロナ禍で困窮した家庭が増えているいま、自分の気前のよさを胸に聞いてみる◆きょうは40年前、ジョン・レノンが凶弾に倒れた日。名曲「ハッピークリスマス」はいまも街にあふれる。〈心からメリー・クリスマス! そして新年おめでとう いい年になるよう祈ろうよ もう何も怖がるものがないように〉。遠くの誰かを思う。(桑)

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