質疑が行われた佐賀県議会一般質問=県議会棟

 佐賀県が11月定例県議会に提案している新型コロナウイルス対策の交付金を財源とした差別や偏見を戒めるための「誓いの鐘」設置の予算案に関し、山口祥義知事は3日、県の一般財源を充てる可能性に言及し、提案通り交付金を充当する場合と「両方あり得る。ここは議論があるところ」との認識を示した。テレビの情報番組などで交付金の使い方として鐘の設置が批判されていた。

 県議会一般質問で、国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県)に佐賀県が寄贈した鐘と同じものを県庁に設置する事業に関し、自民党の中村圭一議員が「鐘は寄付でつくるべき」とただした。

 山口知事は「篤志家による寄付では限られた人の思いになる。県民の税金を原資として県民の代表である県議会から可決を得て設置することで、過去の贖罪(しょくざい)とコロナ感染者への誹謗(ひぼう)中傷をなくす思いを掲げられる」と答えた。

 続けて、国の交付金ではなく、県が使途を自由に決められる一般財源で取り組む可能性について問われ、山口知事は「(自らが鐘の設置を)発案した際は一般財源だと思っていた。財政課による査定の中で交付金の対象になると判断された」と明かし、財源構成に関係なく必要な事業として提案したことを強調した。

 その上で「(財源は交付金と一般財源の)両方ともあり得ると思うが、県議会の可決を得る過程を経れば交付金を充当してもいいと思う」と答弁した。一般質問終了後、山口知事は記者団に「予算はあくまで見積もりで、提案した財源は交付金だが、後は議会で議論していただけたらいいと思う」と述べた。

 県議会事務局などによると、鐘設置の事業の財源構成を変える場合、議会側が補正予算案を修正可決するケースや、執行部が訂正を申し出るケースが想定される。自民会派の県議は「まだ会派内でも議論になっていないが、今後検討される可能性はある」と話した。別の自民県議は「鐘が交付金の対象になるのに充当しないのは県財政運営上、理屈が立たない。番組の主張に県議会が乗るのはいかがなものか」と指摘した。(栗林賢)

【関連記事】

山口知事「納得感増やす」 「誓いの鐘」事業巡り議論

山口知事「将来への布石」強調 県議「説明責任果たすべき」

「今やることか」再び特集 TBS情報番組

コロナ交付金、使い方で論争 「医療現場の支援に使うべき」 TBSの情報番組、佐賀県を批判

佐賀県知事、TBS情報番組に「抗議する」 コロナ対策交付金事業批判受け

このエントリーをはてなブックマークに追加