マスクを着けて正月の縁起物製作を進める巫女の女性たち=佐賀市の佐嘉神社

師走に向けて、一本一本破魔矢を作っていく巫女の女性たち=佐賀市の佐嘉神社(撮影・鶴澤弘樹)

ひしゃく撤去、録音の鈴… 初詣「密」回避を模索

 佐賀県内や隣県の主要な神社では、新型コロナウイルスの感染予防に向け、さまざまな工夫を凝らしながら初詣の混雑回避を模索している。

 例年約35万人が訪れる佐賀市の佐嘉神社。拝殿には仕切りや停止線を設けて参拝客同士が距離を取れるように工夫し、手水舎はひしゃくを撤去した上で、流水式に変更した。企業単位の参拝は原則1社5人までに絞ってもらう。

 権禰宜(ごんねぎ)の福川明成さん(31)は「安心して参拝してもらえるよう対策を取っているが、ご自身の健康を第一に考えてお参りに来てほしい」と話す。

 県内で最も多い約80万人の初詣客が訪れる鹿島市の祐徳稲荷神社では、団体の「ご祈祷(きとう)」は代表者だけで行い、参集殿に約85インチのモニターを設置して映像を中継する予定だ。約2万5千人が参拝する唐津市の唐津神社は、多くの人が手で触れるのを防いで感染リスクを減らそうと、拝殿の鈴を鳴らす綱の「鈴緒(すずのお)」を取り外す。

 「できれば本当の鈴の音を聞いてほしいんですが…」。佐賀市の牛嶋天満宮では、人が近づくと赤外線センターが察知し、あらかじめ録音していた鈴の音が鳴る機材を購入した。陣内喜弘宮司(66)は「機材を使うかどうかは、県内の感染状況を見てぎりぎりまで待って判断したい」と収束を願っている。

 例年、約200万人の初詣客が訪れ、県内からの参拝者も多い福岡県太宰府市の太宰府天満宮。初詣期間を3月末までとし、人が集中しないよう「分散参拝」を呼び掛けている。例年より露店の数を約3分の1に制限し、縁起物の取り扱いも今月1日から3月末まで。太宰府市はホームページで、渋滞状況や駐車場の満空情報をライブ配信しており、市の担当者は「状況を確認し、参拝の判断の目安にしてほしい」と話す。

 政府の新型コロナ感染症対策分科会は、人出の増加が懸念される初詣について、境内での飲食を控え、混雑を回避して適切な距離を確保するよう呼び掛けている。神社本庁(東京)は感染症対策ガイドラインを策定し、担当者は「各神社の実情や地域の感染状況を踏まえて対応してほしい」としている。(松岡蒼大)

   ◇    ◇    ◇

 新型コロナの影響で、例年とは異なる光景が広がる師走。感染予防や経済対策など、試行錯誤が続く現場の今を探る。(随時掲載)

このエントリーをはてなブックマークに追加