私たちの体は、常に病原微生物による感染や発がんのリスクにさらされています。

 免疫の仕組みは、病原体を素早く認識して攻撃を仕掛ける「自然免疫」と病原体と闘ったことを記憶し、一度闘った相手かどうかを見極めて、攻撃を仕掛ける「獲得免疫」に分類されます。自然免疫を担うのは、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、顆粒球、樹状細胞があります。特に、NK細胞は、1970年代に発見され、ウイルスに感染した細胞、がん細胞、正常に老化した細胞を攻撃する役割があります。今回の新型コロナウイルス感染症も、ウイルス感染細胞の数がまだ少ないうちに、素早くこれを抑え込むようなNK細胞の働き「First Attack」が感染制御という点でより重要な役割を担っています。その役割を低下させないような生活スタイルに心掛けることが大切です(佐藤良也博士)

 では、どのようなことに気を付ければよいでしょうか。(1)ストレス(事故・心的外傷・悲しみなど)がNK細胞の機能と抑制するという報告があり、ストレスを抱え込まずに表現すること。(2)入浴(体温が1℃下がると、免疫力は約30%下がるといわれています)。(3)笑うこと(ストレス解消)、(4)腸内細菌の善玉菌(ビフィズス菌など)を増やす納豆、ヨーグルトなどの発酵食品、食物繊維、ぬか漬け、大豆、ブロッコリー、舞茸、生姜など)をよく食べること。(5)適度な有酸素運動(1日7000~8000歩、体温のうち約40%は筋肉によって産生されています)。(6)十分な睡眠(睡眠は副交感神経が働いている時間で、NK細胞活性が高まります)。(7)ビタミンEあるいはビタミンCを十分にとれば、NK活性が増加します。

 総じて、新型コロナウイルス感染症に罹患しないためには、いろんな食材をとり、多くの栄養素を摂取することが、NK細胞活性を高めることになります。加えて、筋肉を付けること、すなわちウォーキングを毎日心掛けることが肝要です。(九州大学キャンパスライフ・健康支援センター・副センター長・統括産業医)

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