南内郭の門と鳥型木製品

 吉野ケ里の各集落への出入り口には、門があり木製の鳥が飾られています。また、特別な建物の屋根の上にも同じものがあり、これらは集落や建物の中に悪霊のような目に見えない悪(あ)しきものの侵入を防ぐためと考えられています。

 悪しきものと言えば「鬼」を思い浮かべる人も多いと思います。鬼と言えば、桃太郎の鬼退治が一番有名なところでしょう。しかし、日本の文献の中で最も古い鬼の記載は「出雲(いずも)風土記」のようで、ある山田を耕作し守っている人の息子を一つ目の鬼が食べたというような内容です。

 一方、卑弥呼は魏志倭人伝(ぎしわじんでん)の中で「鬼道を事とし、衆を惑わした」と書かれています。「鬼道」の意味はさまざまな説がありますが、まさか卑弥呼が鬼であったとは思えません。鬼の文字は「怪しげ」や「奇妙」のような意味にも使われますので、三国志を書いた陳寿には卑弥呼が行っていた事が怪しげなものに思えたのかもしれません。

 ならば、怪しげで悪しき存在である鬼の侵入をも門や屋根の上の鳥は防いでくれていたのでしょうか。この門はその後、神社の鳥居に変化したとも言われています。(福田幸夫 吉野ケ里ガイド)

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