「OPEN-AIR佐賀」

 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、社会が急激に変化する中、感染予防を意識した新たな生活様式が模索されている。感染リスクを最小限に抑えながら佐賀県内の魅力を体感してもらおうと、県は「OPENーAIR(オープンエア)佐賀」と銘打ち、佐賀の豊かな自然を生かした「新たなライフスタイル」を発信している。

多くの家族連れが訪れている自然共生型アウトドアパーク「フォレストアドベンチャー・吉野ヶ里」=神埼郡吉野ヶ里町

 OPENーAIR佐賀は、感染リスクが少ない大空の下、「観光」「食べる」「子育て」「働く」などさまざまな分野で、佐賀の魅力を生かした新しいライフスタイルを提案する。県政策部は「交流人口を増やし、その先には移住してくる人の増加も目指したい」と狙いを話す。

佐賀県が実施した飲食店の店先にテラス席を設ける社会実験「SAGAナイトテラスチャレンジ」=佐賀市

 「OPENーAIR×食べる」では、今年5月22日から16日間、佐賀市や唐人町商店街振興組合などの協力のもと、飲食店12店舗が店先の歩道をテラス席として活用する社会実験「SAGAナイトテラスチャレンジ」を試みた。アンケート調査では、9割以上の利用者が好意的に評価し、リピートの意向を示した。

 飲食店や利用者の声を受け、9月の第2弾では実施エリアや店舗数を拡大し、別の飲食店のメニューが注文できる「モバイルオーダーシステム」を試験導入した。10月24日から11月15日までの第3弾では、昼間のテラス運営とともに、「モバイルオーダーシステム」のオンライン決済にも取り組んだ。なお、この社会実験を契機として、国土交通省が道路占用許可基準を緩和したことから、同様の取り組みが全国に広がった。

 

復元された弥生時代の建物に加え、10種類の遊具も楽しめる吉野ケ里歴史公園は「OPEN-AIR」でも注目のスポット=神埼市郡

 「OPENーAIR×子育て」では、神埼郡吉野ヶ里町の町営キャンプ場「トム・ソーヤの森」を改修して今年5月にオープンした、木々の間をワイヤを伝って渡り歩く「フォレストアドベンチャー・吉野ヶ里」が注目されている。今後さらにアウトドアパークの「アドベンチャーバレーSAGA」として整備が進められる。

 吉野ヶ里町産業振興課によると、10月末までに1万1千人以上が利用し、特に夏休みの家族連れでにぎわった8月には約4100人が訪れた。施設で汗をかいた後、町内の温泉施設「山茶花の湯」で温泉につかる流れもできつつある。

干潮時と満潮時の景色が変わる大魚神社の海中鳥居。「OPEN-AIR」で観光客の呼び込みを狙う=藤津郡太良町

 「OPENーAIR×働く」として、自然に囲まれながらテレワークができる環境の準備も始まっている。波戸岬キャンプ場(唐津市)では、これまで管理棟の前でしか使用できなかったWiーFi(ワイファイ)を来春をめどに全サイトで使えるように整備する。また、吉野ケ里歴史公園(神埼市郡)のWi-Fiスポットも拡大する予定だ。

 通信環境の整備は、テレワークの普及にとどまらず、会員制交流サイト(SNS)を活用する来場者の利便性向上にもつながる。子どもたちが楽しく遊んでいる様子を保護者がSNSで発信することで、さらに利用者を呼び込みたい考えだ。

 県政策部は「屋外で自然を満喫してもらえるような環境整備を進め、今後も『OPENーAIR×○○』でさまざまな展開をしていきたい」と話している。

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