「いけばな褒賞杯」の銀杯を前にして顔をほころばせる伊東哲郎さん=白石町福富

 白石町福富の華道家伊東哲郎さん(87)が、流派を超えた団体「日本いけばな芸術協会」の「いけばな褒賞杯」を受けた。60年以上にわたり歩んできた花の道を振り返り「お弟子さんと家内のおかげ」と喜びつつ、さらなる探究へ意欲を燃やしている。

 同協会は全国にある273流派から推薦された会員約3800人からなり、伊東さんは県内唯一の名誉特別会員。今回の「いけばな褒賞杯」は、名誉特別会員の中から理事会の推薦で決定され、名誉総裁の常陸宮妃華子さまから銀杯を授かる。対象者は2年ごとに通例20人前後で、今年は66人。授与式は新型コロナウイルスの影響で中止された。

 伊東さんは農協経済連の職員だった二十歳から花を始め、数年で指導者の許状を取得。探究心はいまも衰えを知らず、教室とは別に生け花の古書をひもとく勉強会を主宰する。毎年京都まで足を運ぶのも恒例で「それに小言の一つも言わない」(伊東さん)という妻・カズ子さん(87)への感謝が尽きない。

 自分で山野を歩き集めた草花を、単に材料としてではなく「空間として生ける」という心を表した「草木(そうもく)の命を生ける」がモットー。16世紀の書物「池坊専応(せんおう)口伝」にそうした言葉があり、読み解いて感銘を受けた。

 記念の花展を来年2月に計画している。(志垣直哉)

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