佐賀支え愛

「佐賀支え愛」のロゴマーク

 新型コロナウイルス感染症への対応は感染防止対策と社会経済活動をいかに両立できるかが鍵を握る。佐賀県は外出を控えて感染拡大を抑えることを「巣ごもり局面」、感染防止対策を心がけながら外に出て消費することを「支え愛活動局面」と呼び、感染状況に応じて二つの局面を切り替えることの重要性を訴えている。県民一人一人が佐賀のものを買ったり、食べたり、県内宿泊などをしながらふるさとの魅力を再認識し、苦しんでいる現場をみんなで支え合う。そんな「佐賀支え愛」の輪が広がっている。

宿泊キャンペーン

コロナ後見据え魅力磨く 

佐賀の屋外アクティビティをお得に体験できる「OPEN-AIR佐賀割引キャンペーン」のイメージ写真。着物で楽しむ街歩き

 唐津くんちの笛の音が鳴り響き、大空をバルーンが舞っていたはずの佐賀の秋-。新型コロナウイルス感染症の影響で佐賀の観光業界は深刻な打撃を受けた。県は需要回復を図りつつ、アフターコロナを見据えて地域の魅力を磨き上げる支援事業を展開している。「佐賀支え愛宿泊キャンペーン」は7月の第1弾に続き、10月下旬から第2弾がスタート。県民と九州域内を対象に約4万人の宿泊者を想定する。

 キャンペーンは、県内の宿泊料金が平日(日~金曜)は1人当たり最大で5千円割引となる。12月末までの宿泊分が対象で、政府の観光支援事業「Go To トラベル」との併用もできる。

 県観光連盟によると、県内宿泊施設の客室稼働率は前年に比べ、7月は週末が5~6割、平日が2~3割に落ち込んだ。県の「支え愛」に加え、市町や国の支援策との相乗効果で着実に改善傾向が見られる。9月は週末で7~8割、平日で5~6割まで回復し、年末にかけての予約状況もおおむね順調に推移している。

佐賀の屋外アクティビティをお得に体験できる「OPEN-AIR佐賀割引キャンペーン」のイメージ写真。イチゴ狩り

 「佐賀支え愛」と共に、アフターコロナの佐賀を見据えたワードが「OPEN―AIR(オープンエア)」。感染リスクの少ない新たな観光スタイルとして佐賀の澄み渡る空の下、屋外での多彩なレジャーを打ち出す。県は対象のレジャー料金などを1人当たり最大半額、上限2千円の範囲で割り引くキャンペーンを展開。2月末まで約1万6千人分を用意した。

 これらは落ち込んだ需要を回復するための支援策だが、県はその先も見据える。今後、旅のニーズやスタイルが変わることも想定され、「今回、県民や九州の人たちは佐賀の魅力を再発見していると思う。佐賀ならではの資源を磨き上げ、引き続き佐賀を選んでもらえる仕掛けづくりを地域とともに進めていきたい」と県観光課。「オール佐賀」の取り組みは続く。

 

佐賀ん魚応援

地産地消で漁業支え

新鮮でおいしい「佐賀ん魚」が水揚げされる佐賀玄海漁協魚市場=唐津市海岸通

 新型コロナウイルス感染症の影響で佐賀県産のマダイやコノシロなど中高級魚の消費が低迷している。都市圏での消費が多くを占めていたが、料亭や割烹(かっぽう)、すし店の営業自粛で魚価が下落し、漁業者が苦境に立たされている。県は「こんな時こそ地産地消で支えよう」と、県内飲食店に県産水産物の消費を促す支援事業をスタートさせた。

「佐賀ん魚応援キャンペーン」ののぼり

 県によると、飲食店の需要が高かった玄海地区のブリやハタ、アワビ、ウニ、ケンサキイカ、有明海地区のコノシロ(コハダ)、ガザミ(ワタリガニ)、シバエビといった中高級魚の単価下落が深刻という。

 県は「佐賀ん魚応援キャンペーン」と銘打ち、県産の中高級魚を使った新メニューを開発したり、既存メニューを県外産から県産に転換したりする飲食店に、試作・試験販売用の中高級魚の購入代金を支援した。これまでにマダイのカルパッチョや竹崎カニのリゾットなどさまざまなアイデアが寄せられている。

 また、「佐賀ん魚」のガイドマップやのぼりも作製し、特設ウェブサイトでキャンペーンに参加する飲食店を紹介するなど消費者を店に呼び込む積極的な広報活動を展開する。
 佐賀玄海漁協魚市場の魚は近海物が多く、水揚げ後すぐに競りにかけられるため、鮮度の良さが特徴という。「食材にこだわる料理人ならば質の違いを分かってもらえるはず。テイクアウトなどに対応しているお店も多いので、玄海と有明海という二つの海で獲れる『佐賀ん魚』の魅力を再発見してほしい」。県水産課はピンチをチャンスに変える「支え愛」に力を込める。

 

トピックス
支え愛サポーター 100団体突破

 「佐賀支え愛」。県職員で佐賀のものを買ったり、食べたりして苦しむ現場を応援しようという小さな取り組みが始まりだった。県のさまざまな事業に支え愛の仕組みを取り入れることで、事業者、生産者、医療従事者らを支える県民運動に広がっていった。

 6月からは、運動に賛同する団体や企業をサポーターとして登録する試みをスタートさせた。寄付や県産品の応援購入、医療資機材の寄贈などに取り組む団体が対象で、活動事例を共有し、運動の輪を広げていく狙いがある。

 サポーターは100団体以上に広がっており、県政策部は「地域のつながりが強い佐賀県だからこそ、想像以上に運動の輪が広がった。困難に直面したときに、みんなで支え合い、乗り越えていこうという支え愛のネットワークは、佐賀県の将来にとって大きな財産になる」と意義を語る。

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