佐賀県警は2021年1月から、運転席や助手席の窓ガラスを日よけのカーテンで覆うなどした運転の取り締まりを始める。運転者の視界を妨げることを防ぎ、右左折時に歩行者を巻き込む重大事故の抑止を目指す。
取り締まるのは、運転席や助手席の窓ガラスを、日焼け防止などの目的で取り付けたカーテンやサンシェードで覆ったり、助手席に棚などを置いたりする、視界が妨げられた状態での運転。反則金は大型車が7千円、普通車が6千円で、違反点数は1点加点される。
道交法に基づきこのケースを取り締まるかどうかは、各都道府県警の裁量になっている。佐賀県警は従来、指導にとどめてきたが、事故抑止のために運用を切り替える。同様の取り締まりは現在、全国26都道府県で実施されており、佐賀は九州で5番目になる。
県民から「カーテンの取り締まりをしないのはなぜか」などの意見があり、県警は今春から、取り締まりを検討してきた。9月に県内10署と交通機動隊前で、それぞれ1日調査したところ、約2万2千台のうち約5%がカーテンなどを付けていた。
カーテンを付けた車では昨年10月、軽乗用車同士が出合い頭に衝突する重傷事故が発生。今年9月には軽乗用車が交差点を右折する際、視界が妨げられて発見が遅れたことで、歩行者が転倒してけがをするケースがあった。
運転席での携帯電話使用やシートベルトの未着用などを取り締まる際にも、確認しづらいなどの影響が出ていた。県警は「左右が見えにくいと安全確認がしづらくなる。取り締まることで事故が起きるリスクを軽減できる」としている。(小部亮介)
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