今年8月に亡くなった井上康徳さんの手がけた白磁が並ぶ会場=佐賀市の佐賀玉屋

井上康徳さんの作品「白磁黄青釉刻文 鉢」

 今年8月に亡くなった陶芸家で日本工芸会正会員の井上康徳さん(有田町、享年62)の追悼展が25日、佐賀市の佐賀玉屋で始まった。持ち味の淡い青色を使った作品など、穏やかな人柄を感じさせる約100点が会場を彩っている。29日まで。

 康徳さんは、白磁の重要無形文化財保持者(人間国宝)井上萬二さんの長男。「白磁線 壺」(径33センチ、高さ33・5センチ)は、成形した土が軟らかい間に入れた線の力強さが際立つ。線に挟まれた部分は土がふっくらと盛り上がり、柔らな表情を見せる。萬二さんから受け継いだ高度な技術が垣間見える。

 「白磁黄青釉刻文 鉢」(横47・5センチ、縦45センチ、高さ13センチ)は白い肌に黄色と淡い青色の線が流れる。「白磁青釉刻文 鉢」(径48センチ、高さ13センチ)は、乾燥後に削り入れた三角形が放射状に広がり、濃淡をつけた青色で彩られる。白磁に独自の現代的な要素を取り入れることで、新たな白磁を表現した。

 妻の江利子さん(58)は「本人は青、黄、緑を使った作品を気に入っていた。すごく温かい人柄を表すような作品ばかりです」と見どころを語る。

 本館6階催事場で、開場は午前10時~午後6時半(最終日は午後5時まで)。(福本真理)

 

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