明子さんは古湯の泊まれる図書館でもほとめいている

 井手野集落からわが家への道すがらに立つ銀杏(いちょう)の大木。黄金色の小鳥たちがパラパラと落ち切った時、三瀬の奥里(おくざと)は冬に入る。

 生まれて初めての言葉が「なんで?」だったという、富士町古湯では欠かすことのできない存在である島内明子さん。高校時代、その教育のあり方になぜを感じて東京の女子大で哲学を学び、その後さまざまな辛苦を味わった。

 転機は東北大震災の年、他の所へ行こうと思った時、イギリスに出合った。それから3年、いろいろな国で生きながら日本を外から見ていると、これから九州が面白いと映った。

 その後、縁があって古湯に移住して6年が経つ。今や山の人から信頼され任されて、さまざまに企画し引っ張る。その行動の原点は「混ぜたい」。さまざまな人の交わりこそが文化を生むと信じている。世界に広がる大切な友人たちを古湯に紹介し、価値観や生き方の多様性に触れる実感や愉(たの)しさを、山の人々にプレゼントしてきた。彼女の「なんで?」の先にはきっと真実への希求があるのかもしれない。(養鶏農家・カフェ店主 小野寺睦)

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