故郷の記憶を絵と文で振り返る冊子を作った古川俊輔さん=伊万里市

 千葉県我孫子市の古川俊輔さん(73)が、古里の伊万里で過ごした子ども時代を、絵と文章で回顧して冊子にまとめた。今は失われた記憶の風景をよみがえらせ、同世代の友人らに好評だという。

 古川さんは伊万里市の街なかに生まれ、中学までを過ごした。佐世保高専を卒業後、東京でサラリーマンをして60歳で定年退職。10年ほど続けたアルバイトを今年の春に辞め、子や孫に向けた自分史を残すことにした。

 ただ、「自分の半生をつづっただけのものに、興味を持ってくれるだろうか」と心配になった。そこで、子や孫が知らない昔の田舎の暮らしを絵を交えて紹介し、「貧しくても、みんなが前向きに一生懸命に生きた時代があったことを伝えよう」と考えた。

 冊子はA4サイズ。一つの話を1ページに収め、上に色鉛筆で絵を描き、下に文章をつづっている。主に小学生の頃の記憶をもとに、郷土資料も参考にして「神社での紙芝居」「町の鍛治屋」「ごみ収集の馬車」など25話を書いた。

 冊子をコピーして同じように故郷を離れた友人らに配ったところ、「懐かしい」「もっと読みたい」と続編を望む声がいくつも届いた。古川さんは「子や孫に残すつもりで作ったが、思わぬ反響に驚いている。書きたいテーマはたくさんあるので、100話を目標に続けたい」と話している。(青木宏文)

 

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