東京都議会で質問中の女性に「早く結婚した方がいいんじゃないか」などのやじが飛んだ問題を受け、佐賀新聞社が佐賀県内の女性議員にセクハラ被害について聞いたところ、過去に県外視察の夕食時に男性議員に抱きつかれたり、交際を迫られたケースがあることが分かった。選挙中に女性蔑視の発言を受けた議員もおり、議会内だけではなく、社会全体の問題として意識改革を求める声も上がった。

 「憤りを禁じ得なかった」。ある女性議員が打ち明けた。7、8年前、視察先で夕食が宴席になり、男性議員にカラオケに合わせて「踊ろう」と誘われ、抱きつかれた。さらにその場面を別の議員が写真に撮っていたという。女性議員は「場の雰囲気を壊したと周りの議員から言われるのを恐れ、怒らずあしらうのが精いっぱいだった」と抵抗できず、追い詰められた心境を語った。

 別の女性議員はかつて男性議員に「俺の女になれ」と交際を迫られ、拒絶すると嫌がらせを受けたという。「研修後の懇親会になると、複数の男性議員から女性蔑視の発言を聞くことが多い。セクハラと指摘したら、飛びかかってこられたこともある」と被害の深刻さを漏らす。

 今回の取材では議場内での直接的な被害はなかったが、過去にはセクハラ発言が問題になった事例もある。2002年3月、旧川副町議会で役場職員の育休に関する条例案をめぐり、男性議員が「(女性は)賞味期限の切れた人も該当するのか」と発言した。当時町議だった白倉和子佐賀市議は、女性の人権を軽視していると訂正を申し入れ、男性議員が「不適切な発言」として本会議で陳謝した。

 女性議員へのセクハラは、議会内だけでなく選挙運動など日々の活動のなかで被害を受けるケースがあった。武雄市の山口裕子議員は、選挙中に「女になんができるか」「力のなかごたっとが議員になってもなんもならん」といった女性蔑視発言を今でも言われるという。「議会に女性が入るのは難しい。難しくても頑張って女性が切り開いていくことで社会が変わっていくと信じている」と話す。

 三養基郡基山町の牧園綾子議員も、宴席で中高年の男性から肩や腰に手を回された経験がある。「私はやめてもらうように言ったり、うまく逃げることができたが、他の女性議員のなかには不愉快でも我慢している人がいるかもしれない」と、泣き寝入りすることを危惧する。

 議会内だけにとどまらない問題に対し、鳥栖市の飛松妙子議員は「社会全体の認識が変わらなければ同じようなことが続くのではないか」と指摘する。

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 佐賀県内の女性の議員数は現在26人で、全議員397人に占める割合は6・5%。全国平均(2013年12月31日現在)の都道府県議会議員8・8%、市区町村議会議員11・8%より下回っている。

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