政府は、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画の代替策となる、迎撃装備を搭載した艦船について、大型化する方向で検討に入った。北朝鮮の弾道ミサイル警戒で過酷な勤務環境にある乗組員の負担軽減を図るため、居住空間を拡大する目的。イージス機能を持つ艦船としては、海上自衛隊で最大となる見通しだ。複数の政府関係者が10月31日、明らかにした。

 防衛省は、委託した民間業者から11月中旬にも大型化に関し中間報告を受ける。これを踏まえ政府は、年末に代替策の方向性を決める方針だ。

 当初の地上配備計画では、ミサイルの常時警戒が容易になる利点を導入目的の一つに挙げていた。地上配備を断念したことで、洋上で任務に当たる海自隊員の負担を軽減できるかどうかが焦点となっている。

 政府関係者によると、防衛省が洋上での主要装備として運用する方針のレーダー「SPY―7」は、現行のイージス艦が備えているレーダー「SPY―1D」より高さがあり、バランスを取るため、船幅を広げる必要がある。これに伴い、より広い居室空間を確保できると判断した。

 3月に就役した最新鋭で最大のイージス艦「まや」(幅21メートル、基準排水量8200トン)より数メートル拡幅し、9000トン程度にする方向で調整する。

 防衛省は、技術的な課題の調査研究を委託した民間業者2社と洋上運用案に関し協議。艦船型とする場合、船体の幅を広げるのが適切だとの助言を受けているという。

 防衛省は11月中旬にも中間報告を受け、運用面の課題をさらに精査。護衛艦型と民間船舶活用型の2案から1案に絞り込む段取りだ。自民党国防議員連盟(衛藤征士郎会長)は、イージス艦の新造検討を求めている。

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