上着の着せ方をアドバイスする馬場朱里さん(右)=神埼市の神埼清明高

 高校時代に介護技術を競う全国大会を経験した神埼清明高福祉実習助手の馬場朱里さん(22)が、指導者として次世代の育成に尽力している。介護の現場で働いていたが、「自分の経験を伝えたい」と教育現場に転身。「利用者のための技術」との信条とともに生徒を指導している。

 嬉野高出身。高校時代は3年時に九州大会で優勝し、全国大会は惜しくも2位。卒業後は、身体障害者福祉施設で3年間働いた。「若いうちにいろいろ経験したいと考えていたところ、高校時代の恩師から誘いがあった」といい、転職を決めた。

 高校3年の思い出は「介護技術コンテストしかない」と言えるほど練習に明け暮れた。全国大会では、想定外のことに戸惑い、制限時間を超えてしまった。「想定していることが全てではなく、臨機応変な対応が必要」と痛感し、この経験が現場でも生きた。

 現場で必要とされる介護技術は、高校時代の実技演習や介護技術コンテストの練習の延長線上にあることも実感したという。介護技術コンテストの問題にみんなで取り組むことは、視野が広がり、助け合いやコミュニケーションが生まれる。「日々の積み重ねが大切で、介護の一つ一つの動作の意味や根拠など技術の基本が身に付いていると、利用者の安心感などにつながる」と話す。

 生徒に自身の経験を伝え、「その人の思いを尊重し、寄り添った介護」となるように、足の位置や体の向きなど細かく指導し、声掛けもアドバイスする。「しっかりと基礎を身に付け、現場で正しい知識や技術を広めていってくれたら」との願いを込める。

 11月14日に控える介護技術コンテスト県大会に向け、練習に熱がこもる。馬場さんから指導を受ける2年の堀江和央さんは「大会も現場も経験した人が身近にいると生の話が聞ける」と話し、「何でも聞ける大きな存在」と信頼を寄せる。(西浦福紗)

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