ドローンの飛行実験の結果などが報告された林業スマート化検討会議=佐賀市の県林業試験場

 植林地にドローンで除草剤を散布し、下刈りの省力化を目指す佐賀県の実証事業の検討会議が27日、佐賀市であり、県は山間地でドローンを使って薬剤を均一に散布することは困難として、同事業を本年度で打ち切ると正式に発表した。

 県林業試験場であった会議では、本年度の実証実験の結果について同試験場の担当者が報告。除草剤の濃度を薄めて散布した実験では一定の効果があった。色の付いた水を使ったドローンによる散布実験では、風の影響を受けて目的地以外への飛散も多かったなどと説明した。いずれの実験も環境への影響に配慮し、同試験場内で行ったという。

 これを受け、県林業課は「山林は起伏や障害物がある。気象条件も不安定で、実際にドローンを飛ばすのは現時点では困難と判断した」と説明した。当初は来年度まで3カ年を予定していた同事業を、本年度で中止すると表明した。

 検討委員会に参加した学識経験者からは「除草剤の量をなるべく減らそうという発想、実証は意義がある」「下刈りの省力化は林業の大きな課題。今後も取り組んでほしい」などの意見があった。

 同事業を巡っては、自然環境が汚染されるなどとして自然保護に取り組む市民などから反対の声が出ていた。県林業課は「今後も県民の意見を聞きつつ、ドローン以外の方法で課題が解決できるよう取り組みを続けたい」と話した。(宮里光)

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