佐賀県庁で担当幹部(手前)と協議する国交省の担当幹部(奥中央)=23日午後

 九州新幹線長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉間の整備方式を巡り、国土交通省は23日、佐賀県に対し、想定される5方式を比較検討した試算を示し、「フル規格が一番優れている」との判断を伝えた。佐賀は「引き続き、さまざまな可能性について幅広く協議したい」と従来の姿勢を崩さなかった。

 県庁で南里隆地域交流部長と国交省の足立基成幹線鉄道課長が、整備方式に関する「幅広い協議」の中で議論した。これまで国交省は「フル規格が適当」とする与党の方針を尊重しつつ、切り離して5方式について協議してきた。今回、初めてフル規格を推す姿勢を明確にした格好。

 足立課長は、スーパー特急について約1400億円の建設費がかかる一方、時間短縮効果はないとし、フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)は車両開発を断念していることから「いずれも現実的な選択肢ではない」とした。その上で、国交省として5方式を比較した場合、フル規格を推す判断を伝えた。

 南里部長はフル規格に関し、国交省が想定する佐賀駅を通るルートのほかに、佐賀空港を経由するルートや、佐賀市北部の長崎自動車道沿いのルートを推す意見があるとし「いずれかの段階でフル規格を議論する場合は、ルートを含めてゼロベースでやる」とくぎを刺した。

 足立課長は、国交省と長崎県、JR九州の3者で、フル規格で整備する場合に想定される多額の建設費や在来線の取り扱いなどの諸課題を整理する協議の場を持つ考えを示した。「佐賀県の意見も考慮に入れて協議していきたい」と述べた。時期などは未定という。

 国交省が提案した5方式に対応できる環境影響評価(アセスメント)に関し、佐賀県は再三「同意できない」と回答しているが、足立課長は「提案は取り下げない。引き続き、同意を待ちたい」とした。(栗林賢)

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