進出協定を結び、協定書を交わす日本レスキュー協会の吉永和正理事長(中央)と水川一哉大町町長(右)=大町町役場

 杵島郡大町町に日本レスキュー協会(本部・兵庫県伊丹市)が災害救助犬やセラピー犬の育成・派遣施設を開設することになり23日、町と進出協定を結んだ。昨夏の佐賀豪雨での支援活動がきっかけで、九州の災害時の対応拠点にもなる。来年9月の事業開始を予定している。

 施設の建設地は同町畑ケ田の約3万平方メートル。町有地で町が賃貸する。2018年に佐賀市に開設した県支部の施設として、事務所や犬舎、宿泊所などを備えた建物を建設する。がれきを集めた訓練所やドッグランも設ける。

 事業内容は災害救助犬とセラピー犬の育成・派遣、訓練者養成、動物の保護・愛護活動など。セラピー犬と触れ合える場なども設ける。来年9月に3人体制で事業を開始する。来春に1人、3年後に4人の採用を予定している。

 同協会は阪神淡路大震災を契機に1995年設立。奈良県にも支部がある。本部では約20頭で活動に当たっている。昨夏の佐賀豪雨で被災した大町町には、ペット同伴避難者のためにキャンピングカーを持ち込むなどの支援を重ねた。

 進出地は以前は宗教法人の施設建設予定地だった。建設に反対する住民の要望を受けて町が2017年に買い取り、企業誘致を進めていた。佐賀豪雨での支援がきっかけで、林野を切り開いた場所が訓練適地になることや自然に恵まれている点で進出が決まった。

 協定の調印式には災害救助犬も出席。協会の吉永和正理事長は「災害を縁に、佐賀県はもちろん九州全域をカバーできる拠点ができる。活動が大きく広がる機会をもらえた」とあいさつ。水川一哉町長は「災害を経験した町として人の命を救う、人の心を癒やす活動に共感する。協定が『災い転じて福』となるよう期待している」と感謝した。(小野靖久)

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