福岡県太宰府市で昨年10月、女性が暴行され死亡し、同市内の駐車場に停めた乗用車内に遺棄された事件で、女性の家族が事件前に複数回、鳥栖署に相談していたことが、関係者への取材で分かった。同署は事件化しなかった。県警は23日の定例会見で、当時の対応などについて「事実関係の確認を行っている」と説明した。

 事件は昨年10月20日に発生。福岡県警によると、福岡県太宰府市の施設駐車場で、停車中の車から同市青山1丁目、無職高畑瑠美さん=当時(36)=の遺体が発見された。その後の調べで、いずれも福岡県内の男女4人が死体遺棄などの容疑で逮捕された。

 高畑さんは同11~19日までの間、棒状の道具で複数回殴打するなどの暴行を受け、適切な治療を受けさせてもらえずに外傷性ショックで死亡した。同月20日には4人が共謀し、死体を積載したまま運搬して遺棄した。

 高畑さんの実家がある三養基郡基山町に住む家族は事件前、鳥栖署に何度も相談したが、被害届が受理されなかった。

 佐賀新聞社の取材に対し、高畑さんの祖母は「しっかり対応してくれていたら、死なずにすんだかもしれない」と話した。県警が事実関係の確認中としていることについて母親は「調査はしっかりしてもらいたいし、鳥栖署で対応した人もしっかり顔を出して答えてほしい」と訴えた。

 鈴木知広警務部長は、定例会見で「被害者が亡くなったことについて、ご遺族に対して心からお悔やみ申し上げたい」と述べた。鳥栖署の当時の対応について「現段階ではコメントを差し控えたい」と述べるにとどめた。その上で調査結果の説明時期について「一定のめどが立った段階で、可能な限り早く」と述べた。

 この事件を巡っては、松本光弘警察庁長官が8日の記者会見で、遺族からの届け出がありながら、具体的な捜査に至らなかった佐賀県警の対応について「佐賀県警で事実の確認を行っている。適切に対応していくものと認識している」と答えている。

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