10月半ばにGoToトラベル事務局から県内の旅行会社に届いた

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」の補助金の流れを巡り、佐賀県内の旅行会社から不満の声が上がっている。旅行会社が宿泊施設に対して国の代わりに立て替え払いした割引分の振り込みが遅れ、数カ月たっても回収できずにいるためだ。関係者は「対応が遅すぎる」「資金ショートが怖い」と怒りや不安をにじませている。

 「立て替え分がまだ届いていないのに、『旅館やホテルに迅速な支払いを』とは無茶なお願いだ」。県内に事業所を構える旅行会社の男性社長は、10月半ばにGoToトラベル事務局から届いたメールの文面に怒りが収まらない。「きついのは宿泊業者だけではない。春先からほぼ収入ゼロの中で『GoTo』が始まったが、未収金が増えるばかりでありがた迷惑」と吐き捨てるように語った。

 GoToトラベルでは、宿泊料金の35%を割り引くが、旅行会社を通して予約する場合、割引分は旅行会社がいったん立て替える。同社は、事業が始まった7月下旬から、主に個人客向けの商品を扱ってきた。9月末時点の立て替え分は約800万円にも上る。

 旅行会社が立て替え分を回収するには、国が事務手続きを委託した民間の事務局に申請する必要がある。同社はこれまで3回申請し、事務局とも繰り返しやりとりをしたが、初回の振り込みがあったのは10月16日。7月分の一部で、金額はわずか6万円だった。

 7月に福岡市で開かれた事務局による事前説明会では、できる限り早く支払えるよう努力すると説明されたという。修学旅行のシーズン本番を迎え、同社の担当者は「月末には立て替え分が数千万円になる可能性もある」と危機感をあらわにする。

 中小23社が加盟する全国旅行業協会県支部の浦中憲一郎支部長は「やればやるほど金詰まりが起きている。余裕があるときだったらいいが、息が絶えてしまう」と加盟社の窮状を代弁する。

 GoToトラベル事務局は「鋭意審査して事業者に(立て替え分を)戻しているが、非常に件数が多い」と理解を求めている。(中島佑子)

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