試合後、ハロウィーンの飾りを付け、会場を回って観客に手を振る久光スプリングスの長岡望悠=佐賀市のSAGAサンライズパーク総合体育館

同期の石井優希(右)と一緒に会見し、声を詰まらせながら復帰の喜びを語る長岡望悠

「一歩踏み出せた」涙も

 左膝の度重なる大けがを乗り越え、日本を代表するアタッカーがコートに戻ってきた。バレーボール・V1リーグ女子の久光スプリングス(鳥栖市)に所属する長岡望悠(29)が、18日に佐賀市のSAGAサンライズパーク総合体育館であったJTマーヴェラス戦で、4季ぶりにリーグ戦出場を果たした。「一歩踏み出せてほっとしている」。試合後の会見では言葉を詰まらせた。

 0―1で迎えた第2セット。コート中央で仲間の輪に加わった背番号「1」の目には、すでに涙があふれていた。「試合前はずっとそわそわしていた」。ただ、試合が始まると、涙をぬぐってすぐにりりしい表情に切り替わり、ライトからの強烈なスパイクを連発してチームに勢いを与えた。

 東九州龍谷高(大分)を卒業後、2010年に久光に加入し、2度のリーグMVPを獲得。日本代表のサウスポーエースとして16年のリオデジャネイロ五輪出場を果たすなど、華々しいバレー人生を送ってきた。

 だが、17年3月に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。一度は復帰を果たしたものの、イタリア1部リーグのイモコに移籍中の18年12月に再び同じ箇所を痛めて、全治8カ月と診断された。19年7月にチームに復帰して以降も試合出場はかなわず、けがと向き合う日々が続いた。

 復帰戦のコートには、11年目で同期入団の石井優希、野本梨佳も共に立った。「3人で頑張ろう。3人でコートに入って戦おう」とずっと誓い合ってきた仲間。試合後、石井は「望悠の復帰戦という意味でも、3人で出場できたということでも、何が何でも勝ちたかった」と声を震わせた。

 「周りの人に恵まれた。見守ってもらえている温かさを感じていたし、ありがたいという気持ちが湧いてきた」と長岡。今季のリーグ戦は始まったばかり。「スタートは切れたので、試合をしていきながらしっかり前に進んでいきたい」と話した。(草野杏実)

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