節目の舞台の収録を終え、笑顔で記念撮影する多久ミュージカルカンパニーの団員たち=多久市中央公民館

 佐賀県多久市の市民劇団「多久ミュージカルカンパニー」は31日から、結成10周年の記念公演の映像をインターネットで配信する。新型コロナウイルス感染防止のため、観客を入れた公演を取りやめる代わりに演技を録画。県の支援事業「ライブス・ビヨンド」のホームページで来年3月末まで公開される。

 節目の公演は11日、多久市中央公民館で収録した。関係者を除いて無観客で行われたが、演技の質を落とさないように音響や照明などの設備は上演時と同様に設けた。チケット収入が無いため、新型コロナの影響を受けている文化催事を支援する県の事業を活用して運営費を捻出した。

 劇団は2010年11月に発足した。この10年間で100人近い団員が巣立ち、現在は小学1年生から85歳までの男女17人が活動している。本番の前には、仕事や学校を終えた夕方や週末に集まって稽古を重ね、結束力を高めた。

 記念公演の演題は「未来への架け橋」。多久に伝わる民話や伝説を題材に、初舞台で演じた「女盗賊」の物語と、3年前の公演の演目「林姫哀話」を現代につなげる形で再構成した。登場人物の中学生3人が郷土の歴史や文化を知り、未来に受け継ごうとする様子を感情豊かに表現している。

 当初からのメンバーで、女盗賊役などを演じた佐賀女子高3年の樺島優花さん=多久市=は「うまくいかずに何度かやめようと思ったけれど、仲間と過ごしている時間が楽しくて、ありのままの自分でいられる」と話す。観客に直接、演技を届けることはできなかったが、収録後には団員たちと肩を並べて写真を撮り、「楽しかった」と充実した表情を見せた。

 劇団の旗揚げに関わり、初舞台から脚本と演出を務める青柳達也さん(45)=佐賀市=は「エネルギッシュな演技を一人でも多くの人に見てもらい、ファンを増やすことができたらうれしい」と配信を心待ちにする。(谷口大輔) 

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