最新のハウスが並ぶ武雄市のトレーニングファーム。園芸団地も同様に施設を集中して整備し、就農者に貸し出す予定だ=武雄市朝日町

 農業者の高齢化が深刻な中、新たな農業の担い手を確保しようと、佐賀県は園芸団地の整備に乗り出した。地元自治体やJAなどと協力して、大規模なリース方式の団地を造成。新規就農者の研修施設「トレーニングファーム」の修了生をはじめ、定年帰農者や女性など多様な人材を取り込み、地域農業の振興を図る考えだ。

 園芸団地は、栽培に必要となるハウスなどの施設を大規模に整備したもの。キュウリやトマト、イチゴなどの野菜のほか、平地で行う根域制限栽培のミカンなどの果樹も対象として考えられるという。

 親から農業を継ぐ場合を除き、新規の就農者を増やす際、最大の課題となるのが農地の確保だ。今回の団地は、事前に農地と施設などを「アパート方式」でまとめて整備。希望者は体ひとつで入植するだけでよく、問題の解決が図られる。

 県内には現在、キュウリやトマト栽培など4カ所のトレーニングファームがあり、農業の後継者育成に成果を上げている。今回の団地にはこの修了生をはじめ、県内外から幅広い人材を新規就農者として呼び込む予定。団地はリース方式で、新規就農者の初期投資を軽減できるメリットもある。

 また、施設が1カ所に集中しているため、営農指導なども効率的に行える。県は「地元の生産者の研修・交流の拠点になる」と説明。地域の生産者の技術向上にもつなげたい考えだ。

 農業産出額の拡大を目指して県が取り組む「さが園芸生産888億円推進運動」の一環。県は園芸団地の導入を図るために、通常は3分の1の共同利用部分の補助を2分の1に引き上げるなど、本年度より団地の施設整備に優遇補助を行っている。実施主体は、市町やJAなどでつくる地区運営協議会となる。

 現在のところ、杵島郡大町町が同町下大町に野菜の団地(1・3ヘクタール)を整備中で、昨年の豪雨災害に遭ったキュウリ農家など2人が入植の予定。また、嬉野市も同市塩田町に約5ヘクタール(7、8区画)の野菜団地を整備する計画で、トレーニングファームの修了生らの受け入れを見込んでいる。

 県園芸課は「園芸団地を整備することで障壁がぐっと下がり新規就農者を呼び込みやすくなる」とした上で、「新しい人が来て地域が活性化し、ひいては定住の促進にもつながれば」と期待している。(宮里光)

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