国際宇宙ステーションに届けられた藤津郡太良町産のハウスミカンを食べる宇宙飛行士。こうした実績で、佐賀県とJAXAの連携が強まっている=2019年(JAXA/NASA提供)

 佐賀県は本年度から、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との連携推進事業に取り組んでいる。人工衛星から撮影した画像データを佐賀県の農業や防災に生かす検討を進め、防災食としても活用できる宇宙食の商品開発を模索している。啓発にも力を入れ、子どもたち向けの「宇宙教育アクションプラン」を策定する。

 事業名は、JAXAと佐賀を掛け合わせた「JAXAGA(ジャクサガ)」。県産ミカンを国際宇宙ステーションに送り届けた実績や、2019年12月にJAXAの山川宏理事長が県立宇宙科学館で講演したことを縁に連携が進んだ。

 人工衛星データの国内での活用事例では、上空から撮影した画像を使って農作物の状態を広範囲に確認し、追肥の必要性を判断する取り組みがある。防災分野では、山肌を捉えた画像での地形把握や、豪雨災害時の浸水状況の確認が期待できる。県は年内にもJAXAや佐賀ゆかりの学識者らと研究会を立ち上げ、県の方向性を決める。

 宇宙・防災食の開発は県内企業と協力して進める。一連の経費は当初予算の事業費256万円から捻出する。

 宇宙ビジネスは拡大を続け、世界的にロケットや人工衛星の製造、打ち上げなどで民間の参入が相次いでいる。JAXAと自治体の連携も全国で進んでいる。数年前から事業化を模索してきた県政策部企画チームの円城寺雄介ディレクターは「『なぜ宇宙なのか』と言われるかもしれないが、無限の可能性が広がっている。地方は国より現場に近く、素早く課題解決に結び付けられる強みがある。積極的に取り組み、日本や世界をリードするきっかけにしたい」と話す。

 文化振興関係では6月補正予算で2300万円を計上した。宇宙教育アクションプランは小学生から高校生までが対象で、宇宙をテーマにした授業などの行動計画を定める。宇宙飛行士が講演するフォーラムの開催を本年度中に予定している。(円田浩二)

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