定期接種ワクチンを種々の理由で決められた期間中に接種していない子どもたちがいます。 ワクチンの目的は「こどもたちを病気から守る」ことなので、期間が過ぎても必要なワクチンは接種した方がよいのです。それを「ワクチンの遅れを取り戻す」という意味で「ワクチンのキャッチアップ」といいます。日本では肺炎球菌ワクチンとインフルエンザ桿菌(かんきん)ワクチンを除いて、国で決めたキャッチアップ・プログラムがないので、市町村に相談しても「もう期間が過ぎています」と事務的に返答されるかもしれません。

しかし、定期ワクチンは決められた期間内に接種すると公費で支払われ、個人の出費なしに接種できるというだけで、接種期間が過ぎたので有害となるわけでもありませんし、重要性にかわりはありません。従って、定期の期間中に接種しそこねたワクチンは、最後の接種からどんなに間隔が空いていても諦めずに、任意接種(自費)として定期の続き分を接種するのが良いと思います。接種期間中に接種できなかった理由が医学的に納得できることであれば、定期期間の延長が認められる場合もあります。

世界には、上記のワクチンの目的に沿ってワクチンキャッチアップ・プログラムが整備されている国々もあります。小児科のクリニックでは、これらの国々のプログラムや、日本小児科学会の案、ワクチンの添付文書などを参考にしながらその子に必要なワクチンの追加を提案してくれると思います。

ところで,2020年8月1日以降に生まれた赤ちゃんは10月1日以降、ロタウイルスワクチンが定期接種として公費で接種できるようになります(今は任意接種で自費)。日本ではおたふく風邪(ムンプス)ワクチンは任意接種ですが、ムンプスも難聴や不妊の原因となる怖い子どもの病気です。有効で安全なワクチンが利用できるにもかかわらず、定期接種になっていないのは残念です。キャッチアップにしても任意ワクチンにしても、必要なワクチンは子どもたちに何とか無料で接種してやれないものかと考えます。

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