九州新幹線長崎ルートを巡り、自民党県議団の苦悩ぶりが浮き彫りになった9月定例会だった。9月末の回答期限までに環境影響評価(アセスメント)の同意を県に迫る決議を可決できるかが焦点だったが、会派内は一枚岩とは言い難く、国との積極的な協議を求める内容にとどまった。

 執行部や他会派からは「骨抜き。何も突きつけるものがないし、わざわざ決議する中身でもない」と手厳しい評価も聞かれるが、一方で複数の自民党県議は成果を口にする。「決議で知事の態度を変えるのは到底無理。決議の本質的な意義は、自民県連がここまでやったという実績を党本部や政府に示すことにある」

 一般質問や常任委員会で時に激しい論戦が繰り広げられたが、振り返ると、新しい展開が見られたわけではない。その中で、今後の鍵を握りそうな山口祥義知事の答弁があった。

 一般質問2日目。「国の責任であるフリーゲージトレイン導入断念に関し、佐賀の方から打開策を提案しなければならないとは思わない」とした上で、山口知事はこう強調した。「国、JR九州、長崎県はフル規格を求めることはあれど、この間、何か具体的な提案はあっただろうか。確たるものはないと思う」

 「具体的な提案」が財源負担や在来線のあり方、地域振興の問題を指すのは明白だ。今後の焦点は、国やJR九州、長崎がリスクを背負ってでも、佐賀に具体的な提案をできるかどうかだ。そうなれば、山口知事はその提案の是非を県民に問い、何らかの判断を迫られることになる。

 10月5、6の両日、自民県連は二階俊博幹事長や加藤勝信官房長官らに「具体的な提案」について考えを示してもらえるように要望する。「今回の決議はいわばそのための手土産だ」(自民県議)。自民県議団の中には、フル規格の可能性がついえる本当のタイムリミットは9月末ではないとの見方が強く、「10月半ば」「年末」とさまざまな意見が飛び交っている。(栗林賢)

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