強盗強制性交殺人などの罪に問われた被告に対する検察側の冒頭陳述要旨は次の通り。

■事件の概要

 2017年8~10月の約2カ月間で、会員制交流サイト(SNS)で知り合い、一緒に自殺しようなどとだまして自宅アパートへ誘い込んだ男女計9人の首を絞めるなどして失神させ、さらにロープで首をつって殺害し、現金を奪った。9人のうち女性8人は乱暴した。遺体は細かく切断し、一部を室内に保管した。

■発覚の経緯

 17年10月24日、9人目の被害者となった女性の行方不明届を警察が受理し、SNSでやりとりしていた被告が浮上。同30日、警察がアパートを訪れると、当初は「知らない」と弁解したが、間もなく自白。「金と性欲目的で9人を殺害した」との上申書を作成した。被告の話から室内で9人の頭部などが見つかり、同31日、9人目の女性への死体遺棄容疑で逮捕された。

■被告の経歴

 1990年10月に神奈川県で生まれた。高校卒業後、スーパーやパチンコ店などを転々とし、婚姻歴はない。2015年10月、インターネットを利用し女性を風俗店などに紹介するスカウトの仕事を始めたが、17年2月、職業安定法違反の罪で起訴された。同3月、保釈されたため、実家に戻り、父親と2人で暮らしながら倉庫会社でアルバイトをした。同月15日、ツイッターのアカウントを開設。自殺願望を示す女性を主なターゲットとし、自分に自殺願望があるかのようなうそのツイートをしたり一緒に自殺しようと誘ったりした。同5月29日、職業安定法違反罪で懲役1年2月、執行猶予3年の有罪判決。間もなくアルバイトをやめ、無職となった。

■事件に至る経緯

 17年8月上旬ごろ、ツイッターで自殺願望を示していた1人目の被害女性と知り合い、自殺を思いとどまらせる。この女性に同居を持ちかけて、預かった金で9人の殺害現場となったアパートの部屋を借りた。女性の「ヒモ」になれそうもなければ、首をつって殺そうと考え、あえてロフト付きの部屋にした。いずれは、女性が離れていくと感じたため、預かった金や所持金を奪う目的で殺害を決意。同月23日、首を絞めて乱暴、殺害した。大金を手に入れたことに味をしめ、働かずに金が入り、性欲も満たせる方法だとして、同種事件の継続を決意した。

■裁判の争点

 被害者が殺害されることを承諾していたかどうか。9人とも承諾はなく、被告の行為は単なる殺人で、強盗強制性交殺人などの罪は成立する。

 被告に責任能力があるかどうか。一貫して目的にかなった行動をしており、精神障害もなく、全く問題はない。【共同】

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