剣道七段に合格し、笑顔を見せる溝口広昭さん=佐賀市の神野小

 8月29日に福岡県で行われた剣道七段審査会で、聴覚障害がある溝口広昭さん(52)=白石町=が合格した。ろう者の剣士で七段に合格したのは全国で2人目。溝口さんは満面の笑みで喜びをあらわにした。

 最高段位が八段の剣道で、七段合格の難易度は高い。審査会では立ち会いによる剣道の実力だけでなく、構える姿などから風格や品位が見られるかなども判定される。審査会には320人が参加し、合格したのは55人。溝口さんは合格率17・2%の難関をくぐり抜けた。

 溝口さんは手のひらを上にし、両手を胸の前で上下させてわき上がる喜びを表現。「みんなからおめでとう、おめでとうって言われた」と笑顔で語った。

 溝口さんは、3歳の時に交通事故で両耳が難聴になった。いとこの誘いで小学3年から剣道を始めると、音はほとんど聞こえないが、人の動きを見ることで剣道を理解。龍谷高3年の時は全国高校総体に出場するなど、全国の実力者と渡り合ってきた。

 現在は週に3日、剣道仲間が開く教室で子どもに教えたり、所属する白石町の修道館で一般の稽古に参加したりしている。合格率1%を切る八段への合格を目指すとは簡単に言えないが、溝口さんは自分と剣道仲間を指さし、切磋琢磨(せっさたくま)していくことを誓った。(草野杏実)

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