「神様が本殿の正面に建てろと言っているのかな」と倒れた鳥居を眺めながら語る小林弘幸さん=唐津市浜玉町の野田明神社

倒壊する前の野田明神社の鳥居。新しい本殿は写真の左側に建てられた=唐津市浜玉町(提供)

新しくなった野田明神社の本殿。新しい鳥居は本殿の真正面に建てられる=唐津市浜玉町

 佐賀県内に停電や倒木などの被害をもたらした台風10号で、唐津市浜玉町の野田地区では野田明神社(のだみょうじんしゃ)の鳥居が倒壊した。一昨年の西日本豪雨では本殿が崩れ、今年の春に新築したばかり。心のよりどころである鎮守の相次ぐ被災に地区には落胆が広がったが、住民たちは早くも再建へ立ち上がっている。

 神社は、文献が残っていないため縁起は不明だが、400~500年ほど前に建てられたとされる。地域の祭りなどが催され、鎮守として親しまれてきた。

 鳥居は高さ約4メートルで、柱の直径は1メートル弱。釘などは使っておらず、石材を積み上げていた。住民によると、これまで倒れたことはないという。台風10号の強風で、鳥居がそばを通る道路に倒れているのを、7日朝、近くの住民が見つけた。

 西日本豪雨では、神社の裏手で土砂崩れが発生し、本殿が飲み込まれた。再び被害に遭わないよう、元の場所から少し離れた高台に再建。そのため、鳥居と本殿の位置がずれていた。新しい鳥居は本殿の正面に建てるという。区長の小林弘幸さん(62)は「倒れたことは残念だが、神様が『正面に立て直せ』と言っているのかな」と倒れた鳥居を眺めながら語った。

 本殿再建の際には住民や出身者などから約400万円の寄付金が寄せられており、鳥居の再建はこの寄付金の残りを活用。約70万円を掛け、町内の業者が、元の鳥居で使われた石を再利用し、秋の収穫祭が開かれる11月6日に間に合うよう建て替える。小林さんは「新しくなった鳥居を祭りの時にぜひ見てほしい」と話した。(中村健人)

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