水田に設置した微生物燃料電池(冨永昌人教授提供)

 佐賀大学は28日、理工学部の冨永昌人教授(電気化学)が企業と共同で研究開発している水田の微生物燃料電池(MFC)が発電できることを実証実験で確認したと発表した。微生物を触媒にして水田に設置するだけで電気を供給する「泥の電池」として期待され、実用化を目指している。

 MFCは微生物が有機物を分解した際に生じる電子を利用して発電する。汚泥などから電気エネルギーを取り出すことができるとともに、環境浄化や廃水処理にもつながるとしてさまざまな研究が進んでいる。

 冨永教授はニシム電子工業(本社・福岡市)との共同研究で、先端技術を取り入れるスマート農業を視野に、水田の水温や水位などの測定センサーの電源としてMFCの開発を進めている。8月に神埼郡吉野ヶ里町の水田で実証実験を行い、泥の中にMFCを設置して最大電圧0・45ボルト、最大電流3・5ミリアンペアの発電を確認した。

 今後はセンサーの稼働に必要な電気量を確保できるように改良を重ねる。冨永教授は「現場の泥にすむ微生物をそのまま使って発電するのが泥の電池の特徴。淡水では難しいが、実証実験は成功した。電気量の確保など解決すべき課題は多いが、2、3年後には実用化させたい」と話す。(山本礼史)

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