過度に恐れず収束まで 手洗い、マスクで感染予防

 新型コロナウイルス感染症の収束の兆しが依然として見えない中、持病があるにもかかわらず「外出して感染するのが不安」と、通院を控える人もいるようです。しかし、それはかえって体調の悪化につながりかねません。過剰に恐れることなく、「新しい生活様式」のもと適正な受診を心がけましょう。予防の方法や医療機関の体制などについて、佐賀大学医学部の青木洋介教授に聞きました。

 

新型コロナウイルス  これまでとこれから

■人的な要素が大きい新型コロナウイルスの「再燃」

 佐賀県内では5月16日以来75日間、新型コロナウイルスの感染者数ゼロが続いていました。「これで終わるかもしれない」と期待を持って考えていましたが、7月末には新型コロナウイルス新規感染者数が再び急増し、「第2波」と呼ばれる流行が起きました。
 今回の「第2波」を、私はあえて「再燃」と呼んでいます。感染拡大の火種が自粛などの対策で鎮火したように見えていましたが、実は完全に消えておらず、再び燃え上がったということです。これは、活動の活発化と、個々人の感染防止策の緩みなど人的な要素が大きいと思います。
 県内では、再燃が始まった7月20日以降しばらくは、新規感染者の9割が10~20代の若者で占め、軽症というのが特徴でした。高齢者の発症は少なかったのですが、徐々に60~70代の人も増えてきました。無症状や軽症の若者から、高齢者にうつって重症化する人が出てくるかもしれないので注意が必要です。

■感染拡大防止に大事な手洗いとマスク

 

 新型コロナウイルスの発症は、感染してから平均5~6日後。感染者の約8割は無症状、または軽症で、発症した場合は発熱と咳を伴います。 感染拡大を防ぐために大事なのは、「手洗い」と「マスク着用」に尽きます。正しい手洗いの方法を、改めて確認してください。また、アルコール手指消毒液による手指の消毒は、石けんによる手洗いより菌の消滅に有効です。
 不特定多数が行き交う場所に行くときは「人のため」に、自宅に戻るときは「自分と家族のため」に、菌を持ち込まないよう手を清潔に保つ意識が大事です。

■今後も「再燃」を意識し日常生活を

 「ステイホーム」=「外に出てはいけない」ではありません。周囲に人がいないときは、マスクを外しても大丈夫です。持病がある人は、「外に出るのが怖い」と、受診を控えず、感染予防をして通院しましょう。旅行や飲食の際も同様で、過度に恐れる必要はありません。今後も感染予防に努め、普段通りの生活を送ってください。

 

手洗い・マスク着用時の注意事項

●手洗い
 アルコール消毒液で手指を消毒する場合、乾いた手のひらを器のようにすぼめて、その中にたっぷりと消毒液を取り、両手の手のひらにまんべんなく広げます。手の甲や指先、手の間、親指の付け根、手首まですり込みます。すり込む目安の時間は約30秒。消毒液は、アルコール度50%以上含まれているものを選びましょう。通常の手洗いもアルコール消毒と同様の手順です。石けんを手に取り両手をすり合わせて泡を作り、手の甲などにまんべんなくすり込み洗います。

●マスク
 不織布で作られたマスクは撥水性があるので、外からの飛沫を防ぐのに効果がありますが、布マスクは水分を吸収してしまうため、外からの飛沫を防ぐという意味では、不織布マスクに比べて効果がやや下がります。1度使用した不織布マスクは、5日間ほど室内に干して再利用してもOKです。使用したマスクをファスナー付きビニール袋で保存するのは、雑菌の繁殖につながるので避けます。

 

▼正しいアルコール消毒、手洗いの方法は「佐賀大学医学部」のホームページに動画で詳しく紹介しています>動画はこちら

▼新型コロナウイルス関連の情報は佐賀県のホームページから>HPはこちら

 

 

佐賀大学医学部医学科国際医療学講座主任教授(国際医療・臨床感染症学分野)
佐賀大学附属病院感染制御部長

青木洋介氏

あおき・ようすけ 1984年、福岡大学医学部卒後、佐賀医科大学(当時)、米国スタンフォード大学などを経て97年、佐賀医科大学へ。2003年、佐賀大学医学部準教授、07年から佐賀大学医学部附属病院感染制御部部長。11年から現職。

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