お披露目された武寧王生誕の石碑。完成を祝った福岡の韓国総領事館の孫鍾植総領事(中央)=唐津市の加唐島

福岡市の韓国総領事館の関係者ら約30人が訪れた除幕式=唐津市の加唐島

木製のプレートに代わり、お披露目された百済第25代の武寧王生誕を示す石碑と祭壇

 福岡市の韓国総領事館は、百済第25代・武寧王が生誕したとされる唐津市鎮西町の加唐島に石碑を建立した。元徴用工問題などで日韓関係の回復の兆しが見通せない中、1500年を経てつながる草の根交流のシンボルになるよう島民たちと誓った。

 武寧王(461~523年)は危機的状況にあった百済を再興させ、日本書紀には加唐島で生まれたとの記述がある。島では海岸の「オビヤ浦」の洞窟で生まれたと言い伝えられている。

 石碑は高さ1メートル30センチ、幅約50センチで、韓国の花こう岩で作られた。オビヤ浦には約20年前から、島民が手作りした木製のプレートを立てていたが、老朽化しており、毎年島の清掃に訪れる領事館が新たに碑と祭壇を作った。費用は領事館が負担した。撤去した木製プレートは領事館公邸の庭園に飾り、来場者が見学できるようにするという。

 25日には除幕式が開かれ、領事館や在日本大韓民国民団の関係者ら約20人が島を訪れた。孫鍾植(ソンジョンシク)総領事や、韓国との交流を続ける「まつろ百済武寧王国際ネットワーク協議会」のメンバーらが幕を引いて碑をお披露目した後、一人一人祭壇に手を合わせた。

 孫総領事は日韓関係について「政治や歴史的な問題はあるが、経済や民間の交流は活発にしないといけない」と話し、「島の祖先の方が(王の)お世話をしてくださった。その精神を見習い、日韓交流の出発点にしたい」と話した。

 島と韓国では6月と10月に生誕祭を開き、20年ほど互いに現地を訪れて交流しているが、今年は新型コロナウイルスの影響でかなわなかった。協議会の山下定則事務局長は「碑は韓国と加唐島、日本の友好シンボル。コロナが落ち着けば、これまでのように交流を続けたい」とあいさつした。(横田千晶)

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