大イチョウの南側から北東に、曳家で約20メートル移動した民家(右端)=有田町泉山

曳家を始める前の大イチョウと民家=2010年6月撮影

 有田町泉山にある国の天然記念物「有田の大イチョウ」のそばに建つ民家が、移転修復作業を終えた。枝の落下で屋根が破損するなどしてきたが、約20メートル離れたことで、住民は「これで少しは安心できる」。大木は通りから全体がほぼ見えるようになり、秋の黄葉が待たれる。

 民家は、国の重要伝統的建造物群保存(伝建)地区にある文化財。昨年12月に移転修復作業が始まり、曳家(ひきや)で大イチョウの南側から北東へ移動。近くで仮住まいしていた住民は今月中旬、約10カ月間ぶりにわが家に戻った。

 大イチョウは通りから少し入ったところにある。民家の移転で、通り側からは見えにくかった幹部分が見えるようになった。

 民家が建っていた敷地は、これまで届かなかった高所の枝の生育を管理する土地として活用される。今月の台風9号で、折れた枝が別の民家兼工房の窓ガラスを破損したが、今後は被害が少なくなることも期待される。(古賀真理子)

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