菅義偉新内閣が発足した16日、佐賀空港へのオスプレイ配備計画や九州新幹線長崎ルートの整備方式見直しなど、国策課題を抱える佐賀県内の関係者からは期待と不安の声が交錯した。地方に真摯(しんし)に向き合うように注文する意見も出た。(取材班)

 ■オスプレイ

 自衛隊輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画を担当する防衛相には岸信夫氏が就いた。計画の説明会開催を国に求めた駐屯地候補地近くの南川副自治会長会、中溝隆久会長(76)は「手腕は未知数で、しっかり仕事をされるか様子を見たい」。説明会の予定はなく「国から『漁業者から先に話したい』と電話で言われただけ。大臣には真摯な対応を求めたい」と述べた。

 県有明海漁協の西久保敏組合長は「面識がなく、新政権には特にコメントはない」と淡々と受け止めた。

 ■新幹線長崎ルート

 長崎ルートを巡っては、国と県とのせめぎ合いが続く。国土交通相には赤羽一嘉氏が再任され、フル規格での整備を求める武雄市の山下裕輔観光協会長は「これまでの事情を知っている大臣。再任されたのはいいこと」と受け止めた。暫定開業後に特急が減便になる鹿島市で、町おこし団体に携わる稲葉ゆう子さん(55)は「鹿島には誇れる名所がある。新幹線を走らせる停車地だけでなく、地方を盛り上げていく観光の浮揚策を」と要望した。

 ■玄海原発

 原発政策を担当する経済産業相には梶山弘志氏が再任された。唐津市の市民団体「玄海原発対策住民会議」の成冨忠良会長(78)は「再生可能エネルギーを中心にした政策へと根本的に変えてほしい」と望む。ただ、菅首相は安倍政権の継承を掲げており「政策の転換は難しいだろう」との見方も示した。

 前政権は原発を安定的に発電ができる「ベースロード電源」と位置付けた。東京電力福島第1原発事故後、再稼働した原発は限られるが、九州電力玄海原発3、4号機は2018年に再稼働した。東松浦郡玄海町在住の女性(68)は「原発は急には止められないし、動いてる分は仕方がない。事故がないようにだけしてほしい」と話した。

 ■国営諫早湾干拓事業

 諫早湾干拓事業を所管する農水相に就任した野上浩太郎氏に対し、藤津郡太良町の漁業者、大鋸武浩さん(50)は「この問題にどれだけ詳しいだろうか」と懸念を示す。「有明海再生は遅々として進まない。省益優先でなく、開門調査を望む現場の声に向き合って」と注文した。

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