武雄市が開設した避難所。開設から数時間で定員に達した所も多かった=武雄市の北方公民館

 台風10号がかつてない勢力で襲来するという予測を受け、佐賀県内の避難者は過去最大規模の2万人以上になり、満杯になる避難所が相次いだ。新型コロナウイルスの感染予防で定員を減らしていた側面があり、各自治体は避難所を増設する対応に追われた。

 武雄市は6日正午に12カ所の避難所を開設したが、数時間前から訪れていた人もいて、1時間もたたずに数カ所が満員になった。小中学校の体育館など、予定していた場所を追加した。市文化会館の大・小ホールまで加え、最も多い時で20カ所まで増えた。

 避難者数は560世帯1291人で、昨年8月の佐賀豪雨時の1日の最大避難者数466人を大きく上回った。「佐賀豪雨の延べ避難者は1067人で、その程度の人数が避難することを考えてはいた。ただ、避難を始める動きが想定以上に早かった」と市防災・減災課。優先提供協定を結んだばかりのメーカへの段ボールベッド100個の追加発注や、停電に備えた発電機の配備も進めた。

 各市町でも避難者数の増加を受け、避難所の増設が相次いだ。佐賀市では感染予防で避難者同士の間隔をとるため、各避難所の受け入れ人数を少なくした。満員に近づくと、近隣のエアコンのある施設など計6カ所を増やして対応した。

 県の防災監を務める坂本洋介副知事は「2万人の避難は佐賀県にとって経験がなかったが、特に大きなトラブルはなかったと聞いている。コロナ禍の中、避難所に入れなかったり、住民が感染を恐れて避難しなかったりするなど心配していた事態もなかったようだ」と話した。(小野靖久、栗林賢、松田美紀、山本礼史)

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